サッカーのワールドカップ(W杯)韓日共催大会まで、2年を切った。開催都市の市民たちが自主的に韓日友好を深めようという、草の根交流の動きも起きている。
日本の開催都市の一つである横浜市の市民有志が、このほど韓国の開催都市の一つである済州道の西帰浦市などを訪問、西帰浦市民とともに韓日地方交流とW杯の成功を誓った。
建設中の競技場も見学
韓国を訪問したのは、横浜市在住の日本人、在日韓国人、韓国人留学生を中心とした市民グループ「横浜キャンプ村」のメンバー12人。同グループは、2002年にW杯観戦のために横浜を訪れる世界中の人々を温かく迎えようと、2000年4月に結成された。
特に韓日交流を大きな柱の一つに設定しており、中でも地方文化の交流こそがこれからの韓日関係には不可欠と考え、その手始めに、韓国でのW杯開催都市の一つである済州道の西帰浦市を訪れたものだ。12人の中には、在日韓国人も3人含まれている。
西帰浦市側の窓口になったのは、文化運動西帰浦協議会だ。韓国ではW杯開催を国民的に盛り上げようという趣旨で、開催各都市に文化市民運動協議会が設けられており、その西帰浦市の人々と交流したわけである。
市民のサッカー大会見学、海女さんとの親睦食事会、市役所訪問、建設中の西帰浦競技場の見学などが主な行事だが、海女さんとの交流は、その中でも異色なものだった。
西帰浦市には現在、海女さんが60人ほどいるということだが、後継者不足で高齢化が進んでいる。彼女たちは、済州道の男性たちにさしたる仕事がないときに、家族の収入を支えてきた歴史があり、日本にも出稼ぎにいったことがあるそうだ。
参加者の一人で、在日女性の宋金富さんは「やはり女性は強いと、つくづく感じた。今後も女性同士で交流を深めたい」と話す。
市民サッカーは50代が中心だが、その素早い動きにみな驚きの表情を見せた。さてメインとなる西帰浦競技場の見学では、漢拏山と海に囲まれた競技場の景観美と設備の見事さに一同びっくりというところだった。長隆紀さんは、「想像していたより立派で驚いた。整備もかなり進んでおり、W杯が楽しみだ」と話す。
一行は最後に西帰浦市長を訪問して帰途についたが、参加者の阿久根靖さんが、「私たちの文化交流はこれからが始まり。市民同士が地方から出会いを重ねることが、今後の日韓関係に貢献すると確信した」と話すように、草の根交流を各地で行う必要があるとの認識で、両団体とも一致した。