日本の大学で韓国の文化、政治、言語を扱った講座への関心が高まっている。韓国映画、音楽などが日本に大量紹介されるようになり、2002年サッカーワールドカップ韓日共催大会もあって、学生の受講が増えている。
日本における大学、短期大学、高等学校で韓国語と韓国関連科目講座を設置運営している学校は、2000年現在で367校にのぼる。大学で見ると、全国622大学のうち約26%の161校で、韓国語と韓国関連講座を実施している。内容も、韓国政治思想史、韓国経済、韓国の伝統文化など多岐に渡っている。
韓日関係に好影響
二松学舎大学(千葉県柏市)で行われている韓国文化の授業は、各学部の学生が受講を申し込み、抽選で決めるほどの人気だ。夏休み前最後の授業も200人近い学生が聴講し、柳尚煕教授の授業に熱心に耳を傾けていた。「韓国の伝統文化に興味がある」「夏休みには韓国を旅行して、生の文化に触れたい」「韓国映画が面白かったので、専門的に勉強したいと考えた」「在日サッカー選手のニュースを見て、韓国や在日に関心を持った。同年代の在日の人と話し合ってみたい」など、動機はさまざまだ。
柳教授は、「一昔前と比べると隔世の感がある。日本の若者の韓国理解が増せば、教科書問題なども乗り越えられるはず。この流れを大切にし、日本の各大学で韓国をテーマにした授業が増えるよう、働きかけていきたい」と話す。
二松学舎大学の呉英元教授によると、国立大学の韓国語講座は、30校、教員は81名、学生数は約3500人になる。公立大学は15大学、教員数21名、受講学生数は約1000人。私立大学は韓国語講座の歴史が古く、1927年より1999年までの72年間に韓国・朝鮮語講座を設置した私立大学は105校になる。教員数は約250人、学生数は約1万5000人。短期大学は34校に設置され、教員数44人、学生数は約2200人。全体数を見ると、184大学、教員396人、学生約2万1700人。この2年間で韓国関連講座は11校増えたことになる。
韓国語講座の学生数が多い大学は、福岡の九州産業大学・教養学部で、1812人、教員数は12人になる。2番目は597人で福岡国際大学の国際コミュニケーション科、3番目は京都の立命館大学の567人である。
呉教授は、「韓国についての多くの情報が、インターネットなどで楽に入手することができ、韓日関係はより深く結ばれつつある。教育に携わる公的機関や教育者が、責任を持って臨む必要がある」と話す。