全国各地で相次いで経営破たんした民族系信用組合に対する徹底した原因究明と検証を行い、在日同胞社会に公表すべきだと主張する動きが起こっている。
破たんした東京商銀で最後まで理事を務めた鄭幸男・東京韓国商工会議所(東京韓商)副会長(淡路総業会長)もそのような主張をしている1人で、特に自ら理事の責任を問い、30人を超える理事全員の借り入れ関係を明らかにすべきだと求めている。
鄭副会長らはこのほど東京商銀を訪れ、管財人の小松勉・伊沢辰雄氏に宛てた兪在根・東京韓商会長名義の要請文を手渡し、「全同胞組合員に対し、単に破たんの事務処理で済ますのではなく、破たんに至った原因の究明と納得のいく形での検証をしてほしい」と協力を依頼した。これに対して管財人側も検討を約束したが、これまで回答はない。
納得のいく形での検証の最大のポイントは、すべての理事の借り入れ関係をオープンにすること。この点について鄭副会長らは、「受け皿銀行に引き渡す過程で、果たして不良なのか正常なのか、それとも灰色なのかランク付けを明らかにする必要がある。そうした検証作業を通じて、ワンマン理事長の暴走に至った経緯や商銀破たんの解明につながると思う。受け皿になりうるドラゴン銀行にとって、2度と破たんのない健全な銀行運営の参考資料にもなるだろう」と説明している。
このような主張は、東京韓商幹部内で討議され提案事項として採択された。また、先に釜山で開かれた上部団体の在日韓国商工会議所(在日韓商)会長団会議でも、一部反対はあったが、同提案は受け入れられた。
鄭副会長は「私自身、東京商銀に最後までいた理事として道義的にも責任を感じ、管財人任せでこのまま終わっていいのかと疑問に思っていた。理事長1人だけの責任で済ましていい問題ではないし、正しい人と正しくない人の色分けをはっきりすべきで、そうすることで今後2、3世の時代においては不公平のない、正しい者が報われる同胞社会にすべきだと思った」と語った。