韓国の在外同胞財団と三宝コンピューター、日本のアジアＩＴストラテジー（ＡＩＳ）は韓日間のＩＴ（情報技術）産業の交流促進と在日同胞青年の専門職支援を目的に「在日同胞青年対象ＩＴ分野国内職業研修」を推進することで合意した。在日青年のＩＴ能力を高め、優秀な人材を育てるのが目的だ。

　この研修は、韓国でＩＴ技術の教育を受けることを希望する35歳未満の在日同胞男女（日本帰化者も可）30人をソウルの淑明女子大ＩＴ教育院で教育後、日本のＩＴ産業の現場に就職してもらうというもの。

　財団が韓国政府との窓口と資金支援、三宝コンピューターが韓国での教育、ＡＩＳが日本での研修生選抜と就職にそれぞれ責任を持つ。

　財源は同財団と韓国情報院とで５億ウォンを負担する。研修期間は今年12月１日から来年５月31日までの６カ月間で、研修費は１人２５０万ウォン（約25万円）。研修内容は、ＩＴ技術のほか韓国語、歴史、文化なども学ぶ。将来的には３００～５００人を募集して１年単位の研修を実施し、システムエンジニアやプログラマーを養成、就職先も韓国を含めて行っていく計画だ。

　ＩＴ産業における韓日間の人材交流では、韓国のエンジニアを教育して日本に就職してもらう事業などがすでにスタートしているが、今回のように在日同胞を対象にしたものは初めてだ。

　フリーライターで韓国ＩＴ事情に詳しい在日３世の李京太さんは、「とても魅力的な研修だ。ＩＴ分野は日本より韓国が広く社会に浸透しているので、とても勉強になると思う。将来的には就職先の具体的あっせんも行うことができれば素晴らしい。参加希望者は増えるのでは。自分も仕事の段取りが付けば勉強してみたい」と話す。

　アジアＩＴストラテジーの金徳吉会長は「在日青年が先端のＩＴ教育を母国で、しかもハイレベルな教授陣のもとで受けられる貴重な講習だ。世界に通用するエンジニアが在日青年から沢山誕生することを願う」と参加を呼びかける。

　募集期間は10月１日～11月５日まで。詳しくはＡＩＳ在日青年韓国ＩＴ研修係　℡０３・５２１６・５３３１まで。