歴史教科書、小泉首相の靖国参拝問題など政治の世界では韓日間に問題が生じているが、日本の韓国文化ブームは途切れることなく続いているようだ。最近の実情をルポする。
ダッカルビが好評
韓国料理ブームは今年の夏も続いている。キムチが食欲増進を進めること、キムチに含まれたカプサイシンが健康や美容にいいと知れ渡ったことが背景にある。
現在、都内にある韓国料理店は約2500軒。韓国家庭の味を宣伝する店が増えた。最近の流行はタッカルビ(鳥肉、野菜、さつまいも、韓国もちなどを使った料理)で、東京・渋谷の妻家房はダッカルビをメインに客寄せをしている。
コンビニやファストフード店、ファミリーレストランでも韓国風料理が増えているが、ピザハットはダッカルビ、プルコギのピザを開発。テレビスポットを流すなど大宣伝を行っている。サブウェイもダッカルビサンドを開発、夏限定で販売している。
韓国料理本の出版も相次いでおり、やはり韓国家庭料理を中心にしたレシピ本が多くなっている。
韓国料理研究家の崔智恩さんは「医食同源に基づいた韓国料理の良さが、日本の女性に注目を浴びるようになったのが人気の要因だと思う。韓国家庭料理り奥深さを知って欲しい」と話す。
雑誌の韓国特集も増え、李朝家具の特集や韓国のデジタル製品、韓国ファッション、韓国の美容整形事情など、多岐に渡りしかも詳細に紹介しているのが最近の特徴だ。
修学旅行生に注目
日本人旅行者の韓国訪問はどうなっているのだろうか。韓国は今年を「韓国訪問年」として観光客誘致に特に力を入れてきた。特に日本からは昨年247万人が訪れ、今年は300万人近い観光客の受け入れを予定、航空便も増やしてきた。それが歴史教科書問題で韓日関係が悪化し、日本の大衆文化追加開放の無期延期、韓日交流事業の延期や中止が発表されるなど逆風が吹いた。
日本からの旅行者が多いのは、夏休みと重なる7月から9月。韓国観光公社によると7月にキャンセルした日本人団体旅行客は73団体、2677人。各支社には連日安全面への問い合わせが殺到し、韓国旅行の延期を検討中の団体も増えたという。
8月のお盆休みに入ってからは、日本人観光客の入国数は盛り返し、例年と同じレベルの数を記録しているもようで、日本人向けホテルの客室占有率も軒並み90%台を記録しているという。
小泉首相の靖国参拝で揺れる今月下旬から9月、そして日本の中学・高校の修学旅行生が訪れる秋以降がどうなるかが注目される。
観光公社では「政治と民間交流は別。韓国を訪問して文化に触れてほしい」として、10日に始まった世界陶磁器博などへの参加を呼びかけている。
在日の訪韓も期待
また在日韓国人の韓国訪問も積極的に呼びかける方針で、文化観光部の韓国訪問の年推進委員会の都英心委員長らは15日、民団の光復節行事に参加。広報ビデオを上映するなど韓国訪問を訴えた。
これに先立つ14日には同委員会と日本駐在の韓国観光公社のメンバーが、東京と大阪で在日新聞社と旅行社の関係者を招き懇談会を持ち、韓国訪問のイメージアップについて意見交換した。東京では同委員会の金晃卓・企画団副団長が今回の来日の目的を説明、在日同胞の母国訪問にインセンティブ提供を考えていると明らかにした。
パスカードを発売
韓国の国民カードが、プリペードカード機能とクレジットカード機能が合体した観光専用プリペードカード「コリアパスカード」を発売した。
韓国を観光する外国人観光客を対象にしたこのカードは、加盟店での買い物や、ソウルの地下鉄、バス、タクシーの乗車時に利用することが出来るだけでなく、優待加盟店で5―20%の割引も受けられる。空港、旅行会社など国内外の観光関連会社で購入することが出来る。