韓日交流が盛んになり日本における韓国語学習熱も高まっている。韓国語関連の書籍も多数出版されるようになった。内容も豊富になり、子ども向け学習書から音楽で覚える韓国語、サッカー用語を使った学習書など様々だ。サッカーの2002年ワールドカップ(W杯)韓日共催大会に向け、タレントやアナウンサーでも韓国語を学ぼうとする人が出てきており、韓国語はますますブームになると見られる。
日本で30年近く韓国語学習に携わってきた金裕鴻さんの著書「絵でわかる韓国語会話ブック」を発行した明日香出版社の編集部は、「96年から韓国語の本を出しているが、売れ行きは好調。『絵でわかる韓国語会話』は9000部出た。韓国語を学ぶ年齢層は以前は中年層が多かったが、最近は年齢層が広がっているのが特徴」と話す。
韓国の言葉と文化が楽しく学べる「となりの国 言葉と文化 もっと知ろうよ!ハングル」(金順玉文 池貴巳子イラスト)を出した汐文社では、「児童向けの韓国語学習書は日本で初めてだと思う。全国の学校図書館に置いてもらい、国際理解教育で使ってもらっている。英語に比べ韓国語の認知度はまだまだ低いが、W杯をひかえたこの時期に認知度を高めたいと考えた。在日の家庭で子どもの教育のために購入してくれる人もいる」と説明する。
著者で横浜コリアン文化研究会代表の横浜金順玉さんは、「10年ほど前から横浜市内で韓国語教室を開く一方、小学校の国際理解教室の講師を務めているが、この10年で韓国への関心は急速に深まった。子どもたちに聞くと40人の生徒のうち30人が家でキムチを食べている。チマチョゴリも着てみたいという子が多。韓国語の学習にも抵抗がない。韓国語教室には日本の若い人や、在日コリアン、ニューカマー(新規入国)の韓国人の子どもたちも来ている。韓日交流の下地が出来つつあるのを感じる」と語る。
90年代後半から、韓国のポップ音楽に関心を寄せる日本の若者が増えている。
音楽を通して気軽に学べるよう工夫した「韓国語で歌おう!バラードで覚える韓国語」を出版したアルクの木ノ内絵里さんは、「韓国のポップス歌手に興味を持つ人は私の周囲でも多い。同じアジア系なので、欧米系の歌手より親しみやすい部分があるからだろう。W杯を前に、タレントや女子アナウンサーで韓国語を学ぶ人も複数いると聞いている。来年はさらに人気が出そう」と話す。
ほかにも、2002年に韓国へW杯観戦に行く人に役に立つ内容となっている「ハングルがわかればサッカーは2倍楽しい」(三省堂、金貞淑著)、反復練習をすることで自信がついて、自然に韓国語が口をついて出るようになる「うまくなる!韓国語ステップ50」(明石書店、兼若逸之著)など、工夫をこらした書籍が続々出版されている。
NHKハングル講座テキストの編集を行う内藤京子・編集長は、「ハングル講座の売れゆきは最近、テレビ、ラジオとも伸びている。言葉だけでなく文化への関心も深まっている」と述べる。