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2001/03/16

<在日社会>新銀行設立 方法めぐり論議

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    新韓銀行設立問題、地方参政権獲得運動などが論議された第54回定期中央委員会

 在日韓国民団の第54回定期中央委員会では地方参政権の獲得推進、民族金融機関の健全育成のほかに、2001年前半にも予想される北朝鮮の金正日・総書記の訪韓など韓半島の和解と交流を受けて、在日同胞社会の交流と対話を推進すること、などが話し合われた。

 第54回定期中央委員会の冒頭、金宰淑・民団中央団長は「地方参政権の獲得と健全な新銀行設立を、同胞社会の緊急にして最大の課題と位置づけ、解決に全力を尽くしていく決意だ」とあいさつした。

 2001年度活動方針では、まず地方参政権獲得運動について話し合い、現在開会中の第151回通常国会で継続審議案件となっている「永住外国人への地方参政権法案」の早期審議入りと採決を求めて運動を展開していくことを確認した。

 そのため韓・日議連などの友好団体や本国政府に支援・協力を求めるとともに、地方議会での「永住外国人の地方参政権要望書採択運動」を引き続き展開することも確認された。

 また「一部保守政治家らの『帰化制度の簡素化』で対応しようとの動きは、地方参政権獲得運動の本質をはぐらかそうとするものであり、本団としては容認できない」(金宰淑団長)と強調した。

 新銀行設立問題については、「2000年末の関西興銀と東京商銀の経営破たんが同胞社会に衝撃と不安、動揺を与えている。零細中小業者が圧倒的多数を占める同胞社会の経済基盤を安定させる」(金宰淑団長)ため、破たん信組の救済を視野に入れた韓信協、韓商と一体となった新銀行の早期設立への支援を確認した。

 銀行問題については会場から、「自己資本比率をクリアできない信組が、7から8あると聞いている。どのような状況なのか」「民団は韓信協の破たんと新銀行設立について、執行委員会でどのような話し合いをしてきたのか」「二次破たんの恐れはないのか」など質問が相次いだが、執行部からは「民団はとにかく資金集めに協力する」「二次破たんしないように努力しよう」と述べるにとどまった。

 会議ではほかに、インターネットを使った同胞ネットワークを今後3年間で構築する、民族教育・文化活動を促進するなどを話し合った。