BSE(牛海面状脳症、狂牛病)の影響で売上不振に苦しむ焼肉業界が、焼肉人気復活を目指し、「焼肉フェスタ2002」を27日に開催する。関東地域を中心に約1000店の焼肉店が参加、海外旅行などの景品を大量に用意して売上増を図る。また焼肉をテーマにした絵本やCDも相次いで発売される。
焼肉業界はBSE騒ぎが起きた昨年9月以後、売上が急減し、前年比50%前後の店舗が続出した。忘年会シーズンも売上が回復せず、1、2月に入って回復基調は見せているものの、完全復権にはほど遠い状況だ。その苦境を打開するために、同フェスタが計画された。
フェスタは4月27日から5月26日までの1カ月間、東京、埼玉、神奈川、千葉、群馬、栃木、愛知、長野など1都11県で在日経営の焼肉店で行われる。実行委員長は、焼肉チェーン叙々園の朴(新井)泰道社長だ。
フェスタ希望店舗には1万円の参加費を出してもらい、これまでに約1000店舗が参加した。
今月中旬から集客のためのキャンペーン活動を始める計画で、主要駅頭でのチラシ配布活動、役所や関連施設でのポスター掲示、電車の中吊り広告、グルメ雑誌やインターネットなどを通しての広報活動などを行う。
また各店舗では、告知ポスター、のぼり、パンフレットなどを使った宣伝に取り組む。パンフレットでは牛肉の安全性についてわかりやすく説明をしていく。
来場者には1等3000円のスクラッチカード、食事クーポン券、海外旅行券などを用意、アンケートに答えてもらった人に抽選で当たるようにする。官公庁やビール・食品メーカーなどの賛同も受ける。今回の成果を見て、来年以降も行う計画だ。
朴泰道・実行委員長は、「焼肉業界は在日社会を支える大切な産業。力を合わせて業界の復権を果たそう」と決意を語る。
各地のコリアタウンでも、独自のキャンペーンがこの間展開されており、W杯の始まる5月に向けて、再度取り組みが行われていく。
家族客を取り戻すために、焼肉をテーマにした絵本やCDの発売も計画されている。先月末に発売された絵本「GO!GO!カルビくん」(原作・カルビくん制作委員会、原画・すずき銀座、1000円)は、モーモー星に住むカルビ王子が、地球にやってきて子どもたちの食欲を守るという設定。骨付きカルビ大帝、ビビンバ番長など子どもの喜ぶキャラクターが登場する。
制作を担当したAB企画では、「家族連れを呼び戻し、焼肉店の消費拡大に結び付けたい」と語る。
同書は全国焼肉協会の推薦を受けており、書店だけでなく同協会加盟の焼肉店などでも販売する。焼肉をテーマにした歌も制作中で、今夏にCD発売する予定だ。