10月末から11月にかけては、全国の大学で大学際が行われるシーズン。韓日国民交流年、そしてサッカーのワールドカップ（Ｗ杯）韓日共催大会が行われた今年は、韓国関係の催しが大学祭の盛り上げに一役買う。

　アジア太平洋地域の大学生が国境を超えて共に学ぶ場とするため、２００１年４月に開学した立命館アジア太平洋大学（大分県別府市）は、12月初旬に秋の大学祭を開催する。

　サッカーのワールドカップ（Ｗ杯）韓日共催大会成功を受け「韓日新時代を考える」シンポジウムを、在日、韓国、日本の学生により開催する。他に文化公演なども予定。

　同大学は、日本人学生１６００人、留学生１２００人（韓国人学生３００人）が在籍している。各国の学生に合わせて４月と10月、年２回入学式を行い、そのため大学祭も５月と11月に開催している。

　今年はＷ杯があったため、それに合わせて６月に春の大学祭を開催。韓日の歴史、文化交流を考えるシンポジウムを２日間行い、１０００人を越える学生が参加した。Ｗ杯の試合が行われた大分ドーム周辺での、環境美化運動にも取り組んだ。

　東京大学の駒場祭は11月22日から24日まで開かれる。サークル「日朝史研究会」が日本と韓国・北朝鮮の歴史を考える写真展を、「地域文化研究会」が韓日関係を考える講演会を行う。

　朝鮮語学科など26カ国語科のある東京外国語大学（東京都北区）は、第80回外語祭を11月20日から24日まで行う。朝鮮語専攻の１年生が韓国料理店「はんぐりぃはんぐる」を出店、焼肉、チゲ、チャプチェなどの韓国料理を楽しみながら韓国語を伝える。

　２年生は朝鮮語劇「ハルモニラブ」を披露する。在日１世のハルモニ（おばあさん）をテーマにした物語。日本語字幕付きなので朝鮮語の分からない人も楽しめる。韓国人留学生による模擬店も出る。

　亜細亜大学（東京都武蔵野市）は「世界水準―アジアで会いましょう」をテーマにアジア祭を11月２日から４日まで開催。韓国、インドネシアなどアジア４カ国の舞踊団が民族芸能を披露する。韓国は在日の金順子舞踊団が出演する。ほかに韓国研究会が韓国料理の模擬店を出す予定だ。

　韓国語学科のある神田外語大学（千葉県千葉市）の大学祭は今月26、27日。韓国語学科の学生を中心に作られた韓国研究会が、伝統芸能の農楽を行うほか、世界の民族衣装展、韓国料理の模擬店を出す。

　ほかにも、やはり韓国語学科のある県立新潟女子大学や、韓国に近い九州産業大学など多くの大学で韓国をテーマにしたイベントが行われる。