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2002/08/23

<在日社会>世界の韓人ネットワーク形成

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    "第1回世界韓商大会"では、韓人ネットワーク作りが話し合われる(写真は在日韓国商工人の会議)

 韓民族の経済的力量を総体的に結集する巨大ネットワークが出帆する。W杯を通じて集まった韓民族のつながりを誇示して、ユダヤ人や華僑のネットワークに次ぐ民族的ネットワークを作り、経済跳躍のためのスプリングボードにするためだ。外交通商部傘下の在外同胞財団と毎日経済新聞社は570万の在外同胞を国家財産として認識して、来る10月8日ソウル・ロッテホテルで〝第1回世界韓商大会〟を開催する。

 大会では、全世界に分散した在外同胞商工人が大挙参加し、国内経済との連携を探す一方、新たなビジネスの機会を模索する。中国政府が〝世界華商大会〟で華僑資本を引き込んで経済成長の原動力にしたように〝韓商〟の旗の下、在外同胞を民族資産として引き入れる大会だ。

 この間地域別・機能別に分散していた各種韓人経済団体も、今回の大会を機会に1カ所で相互協力を模索することになる。

 世界海外韓人貿易人協会(OKTA)、コリアITネットワーク(KIN)、韓民族グローバルベンチャーネットワーク(INKE)、国際韓人弁護士協会など外国で韓人社会をリードする団体が大挙出席する。

 大会では特に、この間散発的だった同胞団体の統合を計る一方で、これらのネットワークを国内企業と連結し、貿易、情報技術(IT)、科学技術などの分野で相互協力とビジネス拡散を実現するよう運営する。

 現在、中国、イスラエル、インドなどの国々は、IT、生命工学などの分野で在外同胞資本と人材を積極的に参加させ経済活動に活用している。

 韓国の在外同胞は現在145カ国に570万人いるが、十分にネットワーク化していないと指摘されている。南北韓の総人口対比で8%に該当する膨大な経済人口が死蔵されている計算だ。

 〝第1回世界韓商大会〟は、この間放置された在外同胞をきちんと評価しようという反省から出発する。そのために外国で活躍する同胞企業家と国内企業間の出合いを周旋し相互協力体制を具体化する。

 権ビョンヒョン・在外同胞財団理事長は、「この間、在外同胞に対する国内政策はほとんどなかったと言っても過言ではない。今回の韓商大会は世界に散った韓民族経済人が一堂に会し、韓国経済が新たな跳躍を準備する歴史的な場になるだろう」と抱負を語った。

 昨年10月、中国・南京に全世界で活動する華僑企業家5千余人が集まり、都市全体がお祭りムードに湧き上がった。中国政府が隔年で主催する第6回華商大会の幕があがったためだ。今大会は華僑活動の根拠地である外国でなく、初めて中国本土で開かれ、久しぶりに母国を訪れた華僑たちにとっては感慨もひとしおだった。 

 中国が政府最高位層まで出てきて華僑を歓待する理由は、ほかでもない経済的利得という緻密な計算のためだ。中国ばかりでない。先進国を中心にいまや金融界を超え政界にも影響力を行使するユダヤ人が代表的な例である。長い間の迫害に対抗するため体質化した特有の民族的結集力が、彼らを世界経済の主役に作り上げた。

 米国シリコンバレーなど先端産業の現場に勤務するインド人も、彼らだけのネットワークを利用して自国技術を世界市場に引き出し、本国に再投資している。

 これらの事例を通してわかるように、いまやネットワークが力の時代。民族アイデンティティーを基礎にした経済ネットワークは、グローバル競争時代に無視できない勢力として浮上している。

 7月ソウルで開かれた〝世界韓人会長大会〟出席者を対象に実施したアンケートを見ると、在外同胞がこの間いかに疎外感を感じていたかがわかる。回答者の34%が在外同胞権益保護強化を要請している。回答者の30%が経済活動支援と情報提供が必要と述べた。