サッカーワールドカップ(W杯)韓日共催大会で脅威の躍進を見せた韓国チーム。ベスト4に進出した22日のスペイン戦、決勝進出を賭けて惜しくも破れた25日のドイツ戦、全国のコリアタウン、駐日韓国大使館・領事館、そして東京国立競技場で急きょ行われたパブリック・ビューイングと、各地で真っ赤な声援が繰り広げられた。韓国代表チームの闘いは、在日社会にも勇気と感動を与えた。
日本代表チームへの声援で青に染まった東京国立競技場、しかし25日は降りしきる雨の中、大型スクリーンで韓国を応援するパブリック・ビューイングが行われた。
同イベントを主催したのは日本の超党派の国会議員で作る「2002年ワールドカップ推進国会議員連盟」。韓国全土の熱い応援を見て、日本でも韓国チームを応援し、韓日友好に役立てようと急きょ決定したものだ。
会場には在日韓国人、韓国人留学生、日本人サポーター、それに在日韓国人と日本人有志で結成されたコリア・ジャパンふれあい共同応援団のメンバーなど6000人が参加、赤い応援を繰り広げた。
ドイツが勝利した瞬間には沈黙があったものの、すぐに気を取り直し、韓国チームの健闘をたたえる拍手を鳴り響かせた。
25日は駐日韓国大使館、全国の領事館でも、趙世衡大使、総領事、大使館職員などが赤いTシャツに身を包んで応援。趙大使は「ここまで本当によく闘った」と選手たちをほめたたえた。
新宿コリアタウンに集まるサポーターも、日を追って増えた。ベスト4進出が決まる22日には約3000人、25日も雨の中、同人数が集まり、職安通りに立ち並ぶ韓国料理店、そして同通りにある駐車場に設置された大型スクリーン前で、すっかり有名になった「テーハンミングッ(大韓民国)」「ピルスンコリア(必勝韓国)」を叫びながら応援した。
大阪・生野のコリアタウンでも、住民が各所に集まり声援した。生野在住のボクシング世界チャンピオン、在日3世の洪昌守も婚約者とともに公園に設置された大画面で応援した。
在日社会をも赤く燃えさせた韓国代表チームの快進撃。在日3世の李尚香さん(25)は、「日本の新聞やテレビで韓国チームが大きく扱われているのを見て、素直にうれしかったし、W杯を機に韓国と日本は本当に近い関係になると思った。多くの感動を与えてくれた選手や監督、関係者にありがとうを伝えたい」と語った。
朝鮮籍の在日3世、金松愛さん(23)は、「同じ民族としてとても誇らしい。29日の3位決定戦は、友人と新宿コリアタウンに行って応援する。2006年のドイツW杯には、統一チームとして参加し、必ず優勝してほしい」と興奮気味に話した。
2002W杯在日韓国人後援会の趙靖芳・事務局次長(31)は、「代表チームは若いメンバーが多いので、海外で経験を積めばドイツでも好成績を残せる。韓日とも16強以上に進んだことは、韓日関係にも良かった」と、今大会を評価した。