サッカーのワールドカップ(W杯)韓日共催大会は4日、韓日両代表チームが相次いで登場、日本は引き分け、韓国はW杯初勝利と上々の成績で、16強入りが見えてきた。韓日両チームの戦いにわきたつ各界応援の声を紹介する。
◇熱い応援に感動 黒田福美さん(女優)
赤一色に染まった韓国の応援は、テレビで見ていてもすごかった。ソウルで行われたW杯前夜祭と開幕式に参加したが、各座席に太鼓とペンライトが準備され、インストラクターの声に従ってペンライトを照らしたり太鼓をたたいたりと、熱狂を演出するのがうまいし、とにかく祭りを楽しもうという意志が感じられた。
日本対ベルギー戦は興奮したが、やはり韓国のほうが熱狂ぶりは上だったと思う。ネガティブな日本とポジティブな韓国の差が出たという感じだ。
日本のサポーターももっとがんばってほしい。私も全力で応援する。
◇世界に韓国アピール 金蓮子さん(歌手)
テレビの前で、ステージ以上に大声をあげて応援していた。近所迷惑だったかもしれない(笑)。何事も努力に勝るものはないというが、ものすごいプレッシャーの中、見事に初勝利をあげた韓国チームに脱帽する。
そしてあの爆発的な国民の応援は、全世界に対して、一つになれる韓国の国民性をアピールすることが出来た。次の試合も大いに期待したい。
在日3世の李根錫さん(29)は在日大韓蹴球団の初代キャプテンで、日本の中学卒業後、韓国にサッカー留学した経験を持つ。
「これまでのように根性と激しさでがむしゃらに走るスタイルではなく、スマートな組織戦術を使った近代サッカーに生まれ変わった。まったく違ったチームになった印象だ。技術もすごく向上した。オランダ人監督、それにJリーガー所属選手と、チームが”多国籍”になった経験が生かされている。日本よりも強くなった印象を受けたし、順当に勝ち続けていけるのではないか。次の試合が楽しみだし、韓国の中高校生の選手にもいい影響を与えるはず」と話す。
W杯を支援するための定住外国人ボランティアを立ちあげた姜誠さん(44)は、「勝敗に明暗が分かれたらと心配したが、日本は勝利に等しい引き分けだし、韓国は歴史的初勝利。両国とも好スタートを切り、ホスト国の名誉も保てて本当に良かった。この調子で戦ってくれれば、両国のムードはさらに盛り上がるし、共催成功の評価を得るだろう」と興奮気味に語った。
名古屋国際センターで「第29代なごや民間大使」を務める韓国人留学生の鄭世桓さん(29)は、「留学生仲間や日本の友人と一緒に両チームを応援した。コリアンJリーガーが活躍したのも、韓日友好に意味あることだ。このまま韓日ともベスト16に入ってほしい。名古屋でもパブリック・ビューイングがあるし、精いっぱい応援します」。
韓国人母と日本人の父を持つ歌手の沢知恵さん(30)は、「それぞれのチームらしい試合をして、結果を残したことがとても誇らしい。これがワールドカップという実感が両国で出てきた気がする。両チームともさらに一生懸命プレイして夢と希望を与えてほしい。共催国としてお互いの国を応援していけたらいいですね」とうれしそう。
やはり韓国人の母と日本人の父を持つタレント松坂紗良さん(18)は、映画撮影の合間にテレビで両チームを応援した。
「日本も韓国もともに大好きな国なので、どちらも勝ち続けて欲しい。両方とも強くなったのがすごくうれしいし、決勝で当たれば最高。両チームの応援をする中で、選手も国民もすごく気持ちが良くなり、みんなが仲良くなれたら最高だと思う。スポーツだけでなく、映画や音楽などすべての世界で、韓日がいいライバルになっていってほしい」
都内で産業廃棄物処理業を営む在日2世の洪炳允さん(62)=ボクシング世界チャンピオン洪昌守の父=は、「開催国として韓日ともに良かった。21世紀に入って韓日関係もよくなったし、民団、総連が韓国に共同参観に行くなど在日の雪解けも進んでいる。私もスケジュールが合えば応援に行きたかった。次の試合に備えてキャンプ中の息子も、テレビで応援している」。
在日韓国人が密集する大阪・生野のコリアタウンでは、商店主らが一同に集まりテレビ中継を見ながら応援した。
在日韓国体育会が主宰した韓国籍、朝鮮籍、そして日本人が一つになった合同応援団の第1陣も、釜山スタジアムで韓国チームを熱狂的に応援。
在日韓国体育会・中央本部事務局員の李信一さん(23)は、「W杯初勝利と南北統一が悲願だが、その一つを果たせた。歴史が変わった日だ。13日ツアー第2陣が出発するが、さらに盛り上がるだろう」と述べる。