在日信用組合の再編・合併が進んでいる。経営破たんした新潟商銀の事業を譲り受けたあすなろ信用組合では、新潟・上越支店が営業を開始、営業エリアは5県にまたがる広域信組となった。東北では北東・青森・秋田・岩手・福島の5商銀の合併契約が調印された。北東は4月には東京商銀を譲り受け、本店を東京へ移転する。横浜商銀は近く千葉商銀を引き受けエリアを4県に広げる。東日本で在日韓国系3信組が鼎立状態になった。
あすなろ信用組合(本店・長野県松本市、尹昌旭理事長)は経営破たんした新潟商銀の事業を譲受し、18日から新潟、上越の2支店で営業を開始した。これであすなろ信組の営業エリアは長野、群馬、栃木、埼玉、新潟の関東・上信越5県に広がり、本店を含め9店舗体制になった。
この日、新潟支店前で開店セレモニーテープ行われ、鄭進、李護守両副会長、尹理事長、崔・駐新潟総領事、金三中・民団新潟本部団長をはじめ地元金融機関関係者らがテープカット。上越支店でも同様のセレモニーが行われた。
鄭副会長は、レセプションで「地域密着で経営基盤、経営体質を強化したい」と強調。金三中団長は「商銀が破たんして苦渋をなめた。あすなろが引き受けてくれ感無量だ」と述べ、これから新潟全世帯を対象に預金集めに全面協力すると明らかにした。
旧新潟商銀は一時170億円台の預金量があったが、現在は26億円台に激減している。今後50億円を目標に預金増強活動を展開するが、民団の協力が不可欠だ。貸出残高は65億円でこのうち正常債権11億円ほどを引き継いだ。預金保険公社からは43億円の資金贈与があった。
あすなろ信組の15日現在の規模は組合員4700人、出資金7億4600万円、預金残高360億円、貸出金残高331億円となっている。
これで東日本の韓国系信組は関東4県に拡大する横浜商銀、北東商銀が東京商銀の事業を譲受して4月15日にスタートするあすか信用組合の鼎立状態になる。
北東商銀の鄭圭泰理事長、青森商銀の李永植理事長、秋田商銀の鄭源生理事長、岩手商銀の李相慶理事長、福島商銀の李守鉉理事長は15日、仙台市の北東商銀本店で5商銀の合併契約書に調印した。
7月29日(予定)には1都1道7県(東京、北海道、宮城、青森、秋田、岩手、福島、山形、埼玉)のエリアに19店舗で、預金量1100億円、貸出金800億円、自己資本比率8・0%でスタートする。
今後、北東商銀総代任期満了に合わせて今年の8月初旬に総代選挙を行い、合併後3カ月以内である10月末までに臨時総代会で役員を選出、本店は合併終了後、来年度中に東京へ移転する。