韓日両政府は5日、両国の専門家による「韓日歴史共同研究委員会」を発足することで正式合意したと発表した。4月にも初会合を開き、2年間をメドに研究成果をまとめて公表する。教科書問題を契機に発足された同委員会だが、その成果がどの程度教科書に生かされるだろうか。
歴史共同研究は、昨年10月の韓日首脳会談で合意された。今回、韓日両政府が合意した「韓日歴史共同推進計画」によると、研究委員会は韓日それぞれ10人程度の民間人で構成し、古代、中世、近現代の3分科会を設置し、2カ月に1度のペースで研究会を開く。
また研究委員会の運営を支援する半官半民の「合同支援委員会」を3月中に発足させることも決定。
今後、研究委員の人選や運営方法を詰めていくが、韓日それぞれ6人程度で、政府関係者と民間有識者で構成する予定だ。両国間の交流事業なども支援委員会が協力していく。研究成果はマスコミやインターネットを通じて広く広報していく方針だ。
韓国側が強く要求していた共同研究の成果を歴史教科書に反映させる問題については、日本側は「教科書は検定制度なので直接反映させることは出来ない」として調整が難航していたが、「将来、歴史教科書が作られる過程で、参考として考慮されることは考えられる」(福田官房長官)との姿勢を示し、韓国側もこれを受け入れたものだ。
両国は同共同委の発足で歴史教科書をめぐる問題に一応の区切りをつけたい意向だが、韓日間ではこれまでも歴史共同研究が行われながら問題が噴出した前例がある。それだけに、研究成果を広く国民に知らせ、理解を得る努力が今後大切だ。