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2002/01/18

<在日社会>新大久保駅事故で犠牲 ふたりの勇気、永遠に

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                      李 秀賢さん

 韓国人留学生の李秀賢さん(当時26歳)と日本人カメラマンの関根史郎さん(当時47歳)が、東京・新宿区の新大久保駅で線路に転落客を助けようとして電車にひかれて死亡した事故から、今月26日で丸1年をむかえる。2人を追悼し韓日友好を願って、慰霊祭と追悼コンサートが26、27日に行われる。韓国では、関根史郎さんの追悼写真展が開かれる。

 慰霊祭と追悼コンサートは、二人の勇気を忘れず、「韓国と日本の懸け橋」を目指した李さんの遺志を継ぎ、韓日友好を願っての催しとなる。

 慰霊祭は26日午後3時30分から、東京・大久保の「ペアーレ新宿」で行われ、一般参列者の献花も受け付ける。李秀賢さんの両親は慰霊祭に出席後、事件の起きた午後7時15分には新大久保駅で献花を行う。

 また全国から寄せられた見舞金約3000万円は、両親の希望によりアジアの留学生に奨学金を送る「李秀賢顕彰奨学会」として運営される。100人に年間30万円を支給する計画だ。

 新井時賛・赤門会理事長は「不幸な出来事だったが、この事件を通して韓日の民間レベルでの絆は深まったと実感している。今後寄付金を集めて、少なくとも3年は奨学金事業を行いたい。それが李さんの遺志を継ぐことになると思う」と話す。

 追悼コンサートは27日午後7時、東京・赤坂のサントリーホールで行われ、在日韓国人バイオリニストの丁讃宇さん、駐日韓国大使夫人の金淑垠さんらが出演する。

 同コンサートは「第1回秀史文化祭」と命名され、今後、毎年開催する。

 日本で事業を営み、文化祭実行委員長を務める秋光浩さんは「一時の事件として終わらせず、より良い韓日の未来を創る若者の交流を願って文化祭を開くことにした。また韓国では関根史郎さんのことが深く知られていないので、関根さんの写真展を釜山とソウルで開く。ぜひ多くの人に来てもらいたい」と話す。

 問い合わせは慰霊祭と奨学会が ℡03・3806・6120(赤門会日本語学校)、追悼コンサートは入場料3000円、℡03・3335・4641(ブレーメンハウス)。