韓国とゆかりのある栃木県日光市が、昨年の韓日国民交流年を契機に韓国との交流を深めている。在日韓国民団栃木県本部に対しては、市主催の「第5回日光けっこうフェスティバル」への参加を要請、市民の韓国理解促進に協力を求めた。民団栃木県本部は4日に行われた同フェスティバルに、婦人会メンバーによる韓国料理コーナーを出店し、韓日交流に一役買った。
昨年夏、韓日国民交流年を記念して、韓国のソウルを出発した朝鮮通信使再現パレードの一行は、日本の各都市を回った後、11月24日に最終地の日光を200人の隊列で華やかにパレードした。
当日は日光市民、観光客が大勢通信使の行列に触れて韓日友好の歴史に思いをはせたが、その気持ちを忘れず、日光市の韓日交流を深化させようと、今年に入って日光市では企画を準備。
日光市は今年で5回目を迎える「日光けっこうフェスティバル」への、在日韓国民団栃木県本部の出店依頼を行った。昨年の朝鮮通信使再現パレード時、婦人会出店の韓国料理コーナーが大人気だったことから再度の依頼となったもので、民団栃木、婦人会栃木とも出店を快諾した。
4日の同フェスティバル当日、婦人会は韓国から食材を仕入れて当日販売するとともに、韓国料理のチジミ(韓国風お好み焼き)、豚キムチ汁をそれぞれ1000食準備、韓国料理の魅力を日光市民に知ってもらうために原価以下の1人前200円に価格を設定した。
行列の出る盛況ぶりに崔龍珠・婦人会栃木会長は、「この1カ月、日本人にあう味付けを工夫し、何度も試食を重ねたが、その成果があった。赤字覚悟で臨んでいる」と話す。
林宏・民団栃木県本部団長は、「韓国文化への関心は栃木でも高く、韓日の新しい時代を実感する。新大久保駅で日本人を助けようとして犠牲になった李秀賢さんの事件、映画やテレビドラマなどに表現される韓国人の道徳性にも関心が持たれているようだ。渡来人の時代のような韓半島と日本の活発な交流が、21世紀に再び訪れることを願う」と語った。
日光市では来年以降も民団栃木に同フェスティバルへの参加を要請するとともに、相互理解が深まる行事を数多く開く予定だ。
◆真杉瑞夫・日光市長の話
日韓国民交流年の昨年、大韓民国民団や日韓親善協会をはじめとして多くの在日韓国人の皆様のご協力を得て、朝鮮通信史再現パレードを成功させることができました。
こうした市民レベルでの交流を一度限りとするのはもったいないと、先日、日光市民のお祭りである「日光けっこうフェスティバル」に出店していただきました。
これからも、市民の一人ひとりが親交を結び、相互理解が深まるようなイベント交流を積極的に進めお互いの良さを再認識できるような事業展開が図れればと考えています。