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2003/09/26

<在日社会>文化の秋迎え各地で韓日交流イベント

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    韓国映画『ピアノを弾く大統領』

 芸術の秋がやってきた。今年も韓日交流のイベントをはじめ、韓国映画の新作を上映する「コリアンシネマウィーク」など様々な行事が予定されている。在日の未来を考えるシンポジウムも各地で開かれる。主な催しを紹介する。

 昨年、韓日国民交流年を記念したイベント「JAPAN-KOREA市民フェスティバル」で、在日韓国民団栃木県本部の協力を得た日光市は、10月4日に日光市運動公園で開催する「日光けっこうフェスティバル」に、韓国料理の出店と韓国文化のイベントを同じく依頼した。民団栃木は韓日友好を深める一助として全面協力する。

 林宏・民団栃木団長は、「昨年団長に就任以来、韓日の友好と共生をテーマに活動してきた。日光市民はもちろん、大勢の観光客に韓国の魅力を伝え、地域からの韓日友好に貢献したい」と話す。

 神戸市では10月3、4日、コリア・ジャパン文化交流「チョ小女・チョ英子によるパンソリ『春香歌』演唱会」が開かれる。神戸芝居カーニバル実行委員会主催の行事で、民団兵庫と朝鮮総連兵庫が共催する。

 10月10日から12日まで広島の広島市、千代田町、尾道市で開かれる「日本のまつり2003ひろしま」には、韓国無形文化財に指定されている密陽百中ノリ(韓国密陽市)20人が参加、韓国の伝統芸能を披露する。

 同イベントは、エイサー太鼓(沖縄県名護市)、小浜太鼓(長崎県小浜町)、江差追分(北海道江差町)など各地の地域芸能を紹介するとともに、地域芸能を生かした町の活性化を考える催し。

 韓国映画の日本での配給を増やし、韓国映画産業の発展を支援するために、東京国際映画祭に合わせて2年前から始められた韓国文化院主催の「コリアンシネマウイーク」は、今年で3回目を迎える。今回は11月4日から8日まで東京・イイノホールを開場に、日本劇場未公開の新作5作品の上映と、上映作品の監督・俳優などを招いたイベントを行う。

 上映作品は2002年に公開されたアクションドラマ『公共の敵』、大統領の女性教師のラブストーリー『ピアノを弾く大統領』、今年公開されたばかりの刑事ドラマ『ワイルドカード』など5本。

 また東京国際映画祭でも、今年最大のヒットとなった『殺人の追憶』など韓国映画3本を上映。国際映画祭の関係者は、「アジア映画は東京国際映画祭で最近人気が高まっているが、中でも韓国映画はチケット売り切れも出るほど人気が定着している。今年も話題を呼ぶはず」と、韓国映画への期待を述べた。

 在日の未来、韓日の歴史などについて考えるフォーラムが、相次いで開かれる。「9・17朝日首脳会談から一年 在日と日本人による市民討論会」(同実行委主催)はあす27日午後6時30分、東京の星陵会館で開かれる。℡03・3792・3737。

 「東アジア歴史・文化フォーラム 中国大陸・朝鮮半島・日本列島の交流史」は、大阪市の大阪国際会議場で10月13日午後2時30分、同フォーラム実行委主催で開催。

 姜在彦・花園大学客員教授、上田正昭・京都大学名誉教授、華立・大阪経済法科大学教授など韓・中・日のパネリストを迎え、東アジアの歴史と交流について報告する。℡06・6245・5193。

 在日の歴史と現状について知るための「映画『在日』上映会 トーク&ディスカッション」は、10月18日午後1時、東京の在日韓国YMCAで行われる。主催は「在日コリアンと日本人2003」。在日の戦後半世紀を描いた呉徳洙監督の長編記録映画『在日』の上映の後。在日コリアンと日本人が語り合い、共生社会のあり方を考える。℡03・5391・9922。

 ほかにも大阪の在日密集地「猪飼野」(現在の生野区)の1960年代を撮影した在日写真家、チョ智鉉さんの写真展「猪飼野写真展 追憶の1960年代」(同実行委主催)が、10月2日から6日まで、生野区内にある御幸森小学校で開催。℡06・6977・4184。