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2003/09/05

<在日社会>在日社会からアインシュタインを

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                     洪 政國 会長

 今年、創立20周年を迎える在日韓国科学技術者協会(科技協)は、記念事業として10月11日に大会を開催する。在日社会に科学の重要性を知らせ、科学者を希望する在日子弟を増やすための催しとする。

 科技協記念大会は、10月11日午前11時から午後5時まで、東京・千代田区の学士会館で行われる。

 有馬朗人・東京大学名誉教授(元・東京大学総長、元・文部大臣)が、「科学技術の展望と科学技術者」(仮題)と題する特別記念講演、韓国のサムスン総合技術院会長で韓国科学技術院理事長でもある林寛氏による「科学技術と産業力」(仮題)の講演が行われる。午後からは創立20周年記念式典、祝賀会などが開かれる予定だ。

 科技協はこの日の催しについて、広く在日同胞社会に参加を呼びかけ、在日社会で「科学技術」を考える機会にしたいと考えている。

 そのために記念講演会を在日の幅広い層、特に学生や母親たちに聞いてもらい、科学技術に対する理解と夢を深め、子弟に科学への道を歩ませる機会になればとの願いを持っている。当日は参加無料で、講演もわかりやすく話される予定だ。

 科技協は記念大会と並行して、「在日韓国科学技術者活動史」の編纂も計画している。

 日本の大学で自然科学、工学、医学などの分野で勉学し、日本や韓国などで活動した、また現在活躍している在日出身の科学技術者の沿革を整理するもので、在日同胞社会の歴史、その中での科学技術者の実態などを整理した上で、科学者をまとめた「在日韓国科学者技術人名録」を作成する。

 現在、多方面に名簿作成の協力を呼びかけている。

 科技協は1983年10月22日、在日韓国人科学技術者によって自主的に設立された団体で、これまで学術研究発表会、先端技術動向調査、韓国産業視察などの活動を行い、韓国の科学技術発展に寄与したり、若手科学技術者の育成推進などの活動を行っている。

 洪政國氏(写真)が2001年7月から第11代会長を務めている。活動会員数は約500人で、筑波、関西、中部、東北・北海道支部のほか、新たに九州支部が作られている。

 洪会長は、「創立20周年事業を成功させ、新しい人材発掘、組織強化、支部の活性化、会館を含めた財政基盤の強化に努め、ひいては在日社会全体の発展に貢献したい」と語り、記念大会への参加を訴えた。