盧武鉉・韓国大統領がきょう、日本にやってくる。韓日首脳会談などに続き、8日には在日同胞歓迎会も予定されている。盧武鉉大統領に期待する在日コリアンの声を聞いた。
在日3世のフリージャーナリストで、サッカーワールドカップの韓日共催時に、在日外国人によるボランティア組織を立ち上げた姜誠さん(45)は、「盧武鉉大統領が主張する東北アジア全体が繁栄する共同体つくりのために、小泉首相と真しな話し合いをしてほしい。ワールドカップから1年経ったが、日本は北問題などもあってナショナリズムの兆候が見えていることに危機感を感じる。韓日が真のパートナーとなり、東北アジアに平和をもたらすよう努力してほしい」と話す。
韓国貿易センターに勤務する在日3世の崔芳江さん(27)は、「注目されるのは両国間で問題となっている拉致被害者問題と、北朝鮮難民等に対する対応策についてだと思う。朝鮮半島と日本を取り巻く現在の環境や状況について、植民地時代-国家分断-休戦という複雑な時代背景があるいう事を正しい情報・報道をもとに現在の(両国の)若者たちに正確に示してほしい。日韓両国は文化交流や経済的な交流などで以前より和やかなムードになっている。今後、今まで停滞していた朝鮮半島の歴史に変化が訪れるかもしれない。これらの問題が平和に解決してほしいとひたすら祈るばかり」と語る。
京都でポジャギ(韓国伝統織物)の講師をする在日4世の沈有希さん(26)も、「在日コリアンは国と国との関係に影響される存在。韓国と北朝鮮、北朝鮮と日本がいい関係になってほしい。東アジアに平和が訪れるように対話政策を継続することを願う」と話す。
東京で会社勤務する在日3世の申麻衣子さん(27)は、「留学などで韓国に7年間いたが、在日のことを行政、一般の人、ともに知らないことを痛感した。銀行口座を開くのも大変だった。在外国民に対する韓国民の認識を高めてほしいし、制度的な措置も整えてほしい。そうすれば在日の若い世代の韓国への関心も高まるはず。韓日首脳会談では、韓日がよりよい関係になるように話してもらえれば」と述べた。
在日の人権運動に取り組む市民団体・在日韓国民主人権協議会共同代表の宋悟さん(42)は、「包括的な在外同胞政策を考えてほしい。特に民族教育について、韓国系学校、朝鮮学校、日本の学校で行われている民族学級すべてを視野に入れた支援を考えてほしい」と、教育問題での支援を訴えた。