在日高齢者のための老人ホーム建設に向けて、在日韓国婦人会(金定子・中央本部会長)が本格的に動き出した。このほど開催された第2回全国会長団会議で、ムクゲ福祉事業共済会の全国1万人加入を決議、全国的な取り組みを確認したものだ。
在日韓国婦人会の「第21期・第2回全国会長団会議」は、熱海の水葉亭で1月22、23日の両日にかけて行われた。全国45地方本部会長(14県の会長から委任状)が参加して行われた会議には、中央任員を含む80余人が出席した。
22日夜には新年会が盛大に催され、全国の会員が友好関係を深めた。そして翌23日、金宰淑・民団中央本部団長を来ひんに迎え、全国会長団会議が行われた。
金定子会長は、「全国の地方本部会長の協力、民団の支援を受けながら、明るい楽しい老人ホームを作りたい」とあいさつ。崔金粉・常任顧問は「みなさんの協力を受けて、ぜひ成功させたい」と述べた。
金宰淑・民団中央団長は「婦人会の推進する老人ホーム建設は、民団も大いに協力していくべき大事な事業である」と力強く激励した。
各地方本部会長からは財政的な問題、会員集めの苦労などについて意見が出され、中央執行部がそれについて説明し、理解を得た。
最終的に、在日高齢者のための老人ホーム建設と、そのためのムクゲファミリー共催会(保険加入者)全国1万人加入目標を決定した。
目標の1万人は、各地方本部別に中央委員・代議員数に比例して人数を割り当てることを決定した。今後、婦人会中央本部内にムクゲファミリー推進委員会を設け、全国で説明会を行っていく予定だ。
金定子会長は、「老人福祉問題は中央のための仕事ではなく、各県本部の会長および会員ひとりひとりが将来抱えていく、また同胞社会の夢を叶える大事業である。要請があれば、全国どこへでも保険の説明に出向き、地道に取組んでいく。次代にわたる長期的な事業となる覚悟だ」と、決意を語った。
金会長は同胞老人ホームの建設を会長就任時の公約に掲げ、就任以来、準備に取り組んできた。65歳以上の在日韓国人高齢者は、厚生労働省の人口動態統計資料(1995年~2001年)によると7万8328人になる。痴呆が進んで韓国語しか話さなくなった人もおり、介護の問題は深刻だ。