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2004/05/28

<在日社会>経営刷新へ理事関連融資を抑制

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    イー・ヨンシク 1946年ソウル生まれ。72年来日。76年青森大学を卒業し、青森商銀信用組合に入組。副理事長、理事長を歴任し、2002年7月、現あすか信用組合と合併。同年9月副理事長に就任後、2004年5月26日付で理事長に就任

 あすか信用組合は26日理事会を開き、「不正融資」の責任をとって辞任した鄭圭泰理事長の後任に李永植・副理事長を選出した。李新理事長は旧青森商銀の金融マン。任期は、前任理事長の残余期間を引き継ぐため来年6月の総代会までの1年。

 就任会見で李理事長は、「今回の不祥事を教訓に経営の透明性、健全性を画期的に高めるため、あらゆる方策を講じていきたい。ペイオフを控え、小口預金を増やすため足で歩き一生懸命頑張りたい」と抱負を述べた。

 会見では、理事長交代に至る経過について説明があり、不良債権額を書き込んだ「内部資料」が外部に流出した事実を認め、流出元については現在調査中であると明らかにした。また、不良債権処理のため33億8500万円の貸し倒れ引当金を計上したと報告、その大半が仙台市店の取引先であり、特に鄭前理事長の親族企業群への融資先で多額の引当金が必要だったと、この間の本紙をはじめとする一連の疑惑報道を追認した。

 鄭理事長の責任については、「内部規定違反の認識を持っている。理事からも原因究明の声があがっており、今後実体を究明し、瑕疵があれば損害賠償など必要な措置をとる」と説明した。

 今回特に注目されるのは、初めて3カ月以上の延滞や金利減免などの要管理債権を含む不良債権の現状を開示した点だ。それによると、2004年3月期で総与信1004億2400万円に占める不良債権の比率は18・97%に達している。あすか側は、「担保や引当金を考慮すれば問題はない。来期には配当できる」としている。

 同胞信用組合ではあいつぐ破綻の教訓がいかされなかったが、あすか経営陣は新理事長就任を契機に経営刷新に本格的に取り組むため「ガバナンス強化に向けた政策指針」を公表した。まず、理事会機能強化と共に監査機能を抜本的に強化するとしている。今後はあずさ監査法人(メガバンクを主に監査している旧朝日監査法人)と緊密に連携し、業務・会計監査の徹底を期す方針だ。

 また、トップの独断専行を抑止するため、任期を2期6年に限定し、融資の最終決裁権を理事長個人から常務会に改めるため、6月中に内規を改正する。理事個人への融資については、関連先融資を含め自粛・厳粛する方針だ。

 果たして同じ過ちを繰り返さない抜本策となるのか注目されるところだ。
 
◆ 引当金処理とは ◆

 貸付金や売掛債権が回収不能になった場合に備え、各期の利益から債権の額に応じて積み立てておく引当金。債権の回収不能が決まったとき、これを取り崩して損失を埋める