日本で韓国ドラマがブームだが、その相乗効果として韓日を往来する旅行客の増加が期待されている。昨年は新型肺炎SARSの影響で旅行客が減少したが、今年はそれを挽回する勢いだ。韓国ドラマの日本での放映も相次いでいる。一方日本のテレビ局が在日韓国人を主人公にしたテレビドラマを7月に放映など、韓日文化交流の活性化が続いている。
2003年に韓国を訪れた日本人は180万2171人(韓国観光公社発表、以下同じ)で、前年の232万820人に比べて22・3%減となった。昨年上半期、イラク戦争や新型肺炎SARSの影響で落ち込み、下半期も海外旅行を手控える傾向が続いたのが響いた。
9年前の訪韓者数水準まで落ち込んだ訳だが、それが今年に入り、『冬のソナタ』に代表される韓国ドラマ人気が急上昇する中、一般観光地はもちろん、ドラマや映画のロケ地ツアーへの申し込みが殺到し、今年3月の訪韓日本人は19万8733人で前年比10%増を記録した。日本の各旅行会社も相次いでロケ地ツアーを発表しているが、申し込みに応じきれない状況が続いている。”韓流”を観光戦略にした韓国政府の方針がずばり当たった。
一方、訪日韓国人は年々増加を続けていて、2001年116万9620人、2002年126万6116人(前年比8・3%増)、そして2003年は143万5959人(13・4%増)と10%以上の増加を記録した。SARSの影響で中華圏を避けた観光客が日本に来たことや、金浦-羽田間の直行便が就航したこと、そして韓国でも若者世代に新たな日本ブームが起きていることなどが理由。
「この調子が続けば、昨年の不振を一気に挽回し、念願の400万人動員も可能になる。来年の韓日国交40周年を前に弾みがつく」と観光公社の関係者は話す。
若手人気女優の仲間由紀恵(24)が、7月5日スタートするフジテレビ連続ドラマ「東京湾景(仮題)」で、在日韓国人女性を演じる。同時間帯のドラマは通称「月9(ゲツク)」と呼ばれ、フジテレビの看板番組だ。
仲間は、最近10%台の視聴率回復の切り札として起用された。原作は吉田修一の純愛小説で、東京・台場の一流出版社に勤務する在日韓国人3世のキャリアウーマンが、民族意識の強い結婚相手は韓国人同士でなければだめといわれて育つ。そんな中、日本人青年と知り合い、また亡くなった母が日本人男性との恋愛経験があったことを日記で知りながら成長する物語。
連続ドラマで在日韓国人が主人公に設定されるのは初めてのことだ。
一方、韓国の映画会社が力道山の映画を制作する。現在、東京・調布の撮影所で撮影中。
力道山は韓国出身で、戦前スカウトされて相撲部屋に入門した後、プロレスに転向。戦後日本のスーパースターとして活躍した人物だ。人気男優の薛景求が力道山に扮し、体重を増やすなど役作りに励んでいる。伝説の人物として日本、在日社会でいまも人気の人物だけに、映画完成がいまから注目されている。