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2004/01/23

<在日社会>韓日高校生経済キャンプ 共同で観光・文化商品づくり

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    韓日の高校生がユニークなアイデア商品を発表した

 韓国と日本の高校生が参加し、韓日の文化や観光資源を売り込む商品開発を共同で企画する作業を通して、相互交流を深める「韓日高校生経済キャンプ」が、17、18の両日、東京・墨田区のアサヒビール本部で行われた。高校生たちは身振り・手振りや覚え立ての韓国語・日本語、それに英語を使ってコミュニケーションし、ユニークな商品発表を行った。

 参加したのは韓国側がフィムン高校、カンソ高校、チョンシン女子高校など6校から51人、日本側が慶應義塾高校、慶應義塾女子高校、慶應義塾志木高校など4校62人。

 同キャンプを企画したのは韓日の経済交流を深める活動を行っている「日韓経済協会」。

 韓日両国の高校生がそれぞれ自国の観光・文化を相手国に売り込む企画を共同作成することを通して、両国の観光や文化への相互理解促進、若年層の真の交流促進、起業家精神の醸成などを目的に開かれた。

 一行はオープニングセレモニーで両国政府関係者の激励を受けた後、韓日混合8グループを編成し、各自が持ち寄ったアイデアを出し合って商品企画を作成、グループワーキングを行った。

 発表会では、昼はオフィス街、夜は独身者の多い住宅街を移動営業し、すぐに出来て値段も低めに抑えたビビンパ専門店「クイック・ビビン」、韓国のオンラインゲームと日本のアニメを登場させて、両国の若者を顧客にするオンラインビジネス「イゴル(エンジョイ・ゲーム・ライン)」、両国の地域文化を体験できる民宿サービスなどの企画が出され、審査の結果、「クイック・ビビン」が見事優勝した。

 同グループの慶應志木高校2年、渡辺浩太郎さんは「優勝できてうれしい。みんなで話し合った成果が出た。討論を通して2つの文化が一つになった気がする」と、喜びを表した。ボソン高校2年の申さんは、「経済の勉強になったし、日本の高校生と交流できたのが良かった」と話した。

 「イゴル」を発表した慶應女子高校1年の楠本彩香さんは、「経済の勉強も初めてだし、韓国の高校生とも交流も初めてで、とても勉強になった。日韓友好を考えて両国国旗をモチーフにロゴを作成した。韓国の高校生とはこれからもメール交換を続け、友人でいたい。『シュリ』の映画を見て韓国や南北分断に関心を持った。韓国と北朝鮮は体制が違うが同じ民族なので仲良くなってほしいし、日本ともいつか打ち解けられると思う。みんな同じ地球に住む人なのだから」と強調した。

 日韓経済協会では今年中に後3回キャンプを実施し、高校生交流を盛り上げたいとしている。


◆ -友情深めてほしい- 日韓経済協会・瀬戸雄三会長 ◆

 これまで大学生の交流を20年間行い、韓国から約800人が日本を訪問し、日本から韓国へ約450人が訪れたが、高校生の交流を企画したのは初めてだ。

 2002年に日本から韓国への修学旅行は246件、約4万人にのぼるのに、韓国から日本への修学旅行は、ビザや費用などの問題があり約3000人にとどまっている。

 それを今年は5000人、そして日韓国交正常化40周年を迎える2005年には、少なくとも1万人にしたい。

 その一助になるようにと今回のキャンプを企画し、費用も一部援助させてもらった。

 経済キャンプにしたのは、共通のテーマに沿って議論することで、相互に気持ちや感覚が伝わると考えたし、経済の勉強もしてほしかったからだ。今回培った友情を末長く育ててほしいと思う。

 協会の活動としては、日韓FTA早期締結に向けた雰囲気つくりも行っていきたい。4月下旬には名古屋で日韓経済フォーラムを開催する。