第18回東京国際映画祭が、10月22日から30日までの9日間、六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に開催される。クロージングで「力道山」が上映されるなど、韓国映画は今年も話題豊富だ。協賛企画のコリアン・シネマ・ウィークなどと合わせて11本が上映予定だ。
◇特別招待2作品◇
東京国際映画祭の華とされる特別招待部門。アジア映画ブームを受けて、今年はオープニングで中日合作の『単騎、千里を走る』(チャン・イーモウ監督)、クロージングで韓日合作映画『力道山』が上映される。『力道山』(ソル・ギョング)は、戦後の日本に勇気を与えた国民的ヒーロー、プロレスラーの力道山に焦点を当てた作品だ。
韓半島出身の少年が日本の相撲界にスカウトされ、相撲を廃業した後、プロレスラー力道山として成功するまでの道のりが、激しい民族差別、夫婦愛を中心に描かれる。名優ソル・ギョングが体重を増やし、本物そっくりの熱演を披露する。長期の日本ロケも話題になった。中谷美紀が共演。
特別招待部門のもう1つはパク・チャヌク監督の復讐3部作の最終章『親切なクムジャさん』だ。カンヌ映画祭でグランプリを受賞し、世界を驚かせた『オールド・ボーイ』の続編になる。
13年間無実の罪で刑務所に入れられていた美しき女クムジャが、出所後、自分を陥れた男に復讐をはかる。主人公は国民的美人女優といわれ、テレビドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」の主役で日本でもおなじみのイ・ヨンエ。11月に一般公開。
◇韓流の起源作◇
アジア映画の話題作を紹介する「アジアの風」部門では、現在の韓国映画ブームのきっかけを作った3人の若き時代の作品を紹介する。
『親切なクムジャ』さんのパク・チャヌク監督のデビュー2作目『3人組』。ギャングスターのアクション映画だ。
『僕の彼女を紹介します』が大ヒットしたクァク・ジェヨン監督のデビュー作『雨降る日の水彩画』。監督のテーマ、雨の原点が描かれる。
『力道山』のプロデューサー、チャ・スンジェの初出資作『おまえの勝手にしやがれ』(オ・ソックン監督)は、ゴダールの『勝手にしやがれ』の精神的リメイク作だ。
さらにオ・ソックン監督の『恋愛は狂気の沙汰だ』も上映される。ホステスとして働く子持ちの主婦が、男たちとの出会いから人生の新しい希望を見いだす姿を描く。
◇新作ホラー上映◇
同映画祭協賛企画で韓国文化院が主催する「コリアン・シネマ・ウィーク2005」は、10月24日から28日まで、銀座のヤマハホールで開催される。韓国映画の日本市場開拓を促進するために始められた映画祭で、今年で5回目。今回は「現代韓国女性監督特集」と題して、日本未公開5作品が紹介される。
『台風太陽』(チョン・ジェウン監督)は、インラインスケートをテーマに、高校生の青春と夢を描く。
『バス、停留所』(イ・ミヨン監督)は、売春婦としか出会いがない32歳の塾講師と援助交際をしている女子高生という、心に傷を持つ男女のラブ・ストーリー。
『微笑』(パク・キョンヒ監督)は、失明の危機にあるフリー写真家の女性が、小型飛行機の単独飛行に挑む。
『パーフェクト・マッチ』(モ・ジウン監督)は、結婚紹介所の女性マネージャーが、ふとしたきっかけで会員の1人と恋に落ちる姿を描く。どれも女性ならではの視点に満ちあふれた作品だ。
やはり協賛企画の東京国際ファンタスティック映画祭は、10月13日から16日まで、新宿ミラノ座で開かれる。
同映画祭では、『天国からのメッセージ』(キム・サンジン監督)が上映される。家を手に入れるために働き続けたピルギが、やっと購入したのもつかの間、怪奇現象に襲われる。社会風刺に満ちた作品だ。