大阪朝鮮高級学校が12日、長居第2陸上競技場で行われた第84回全国高校サッカー選手権大阪大会決勝で清風高校に1対0で勝利し、5年ぶり2度目の全国大会への出場を決めた。全国大会で悲願の初勝利を目指す。
大阪朝鮮高級学校の決勝戦の相手は清風高校。5年前の大会では、同校を破って全国大会の切符を手に入れている。
今年の公式戦でも1勝1敗の五分と実力が伯仲しており、決勝戦も白熱した試合が展開された。前半28分にFWの梁正成選手がセンタリングをあげ、走り込んできたMFの金裕士選手が決めると、その1点を守りきって1対0で勝利した。
昨年はコーチとしてベスト8に進み、今年監督に就任して決勝進出を決め、選手達の胴上げを受けた康敏植監督(35)は、「全国大会でも活躍したい」と喜びを語った。
試合会場には大阪朝鮮学校の生徒や父母など府下同胞中心に約2500人が応援に詰めかけ、喜びを分かち合った。
主将の安泰成選手の弟、泰栄さんは5月に白血病で亡くなっており、はなむけの勝利となった。応援席には母親の文俊恵さんの姿もあった。
大会は12月30日から来年1月9日までで、東京、埼玉、千葉の各競技場で開催される。組み合わせ抽選会は今月21日、日本テレビ汐留社屋で開かれる。
高校サッカー全国大会への出場が認められた朝鮮学校は、2000年に大阪朝鮮高級学校が初出場を果たし、全国の朝鮮学校生や在日韓国人の熱い声援を受けて大会に臨んだが、1回戦で強豪の桐蔭学園(神奈川)に善戦したものの、3対1で敗れた。その後、2003年に京都朝鮮高級学校が出場を決めたが、やはり初戦敗退していた。
◆「強豪と対戦を」康敏植監督の話◆
「全国大会では大阪代表、そして朝鮮学校全国11校の代表としてのプライドを持って試合に臨む。まず初勝利をあげベスト8を目指したい。九州の国見高校とか強いチームと対戦し、朝鮮学校の実力を見せたい。攻撃力のある攻守バランスの取れたチームと自負している。選手達は在日としての誇りを持って、頑張っている。今年、朝鮮学校出身の在日Jリーガーが北朝鮮代表チームに入ってW杯予選で活躍したことが、選手達には大きな励みになった。大会の雰囲気に飲まれず、平常心で臨むことが出来れば、必ず好成績をあげると信じている。全国の在日同胞の声援を胸に、がんばりたい」