世界韓人弁護士会第13回総会が、京都市内のホテルで6日に始まった。世界の韓人弁護士有志が集まり連帯を強める催しで、日本では初の開催となる。
世界韓人弁護士会は、韓国内と世界にある韓国系弁護士の親睦団体で、1988年に海外の弁護士有志が呼びかけて設立された。
世界中に韓人が居住する中、韓国系弁護士も全世界に広がってきた。社会のグローバル化の中でその機能と責任も広がっており、韓国系弁護士間の情報交換、業務の連携、事業性拡大が必要であるとの認識でつくられた。海外同胞の権益擁護はもちろん、世界を舞台に活躍するようになった韓国系企業の活動を保護する目的も担っている。
毎年開かれる総会のほか、各種法律問題のセミナー、シンポジウムなどを開催している。これまでニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ハワイ、ソウルなどで行ってきた。
日本からは大阪のペ・フン弁護士(在日コリアン弁護士協会共同代表)と林範夫弁護士が過去出席したことがある。日本での総会開催をこれまで打診されてきたが、準備が整わず、2002年7月に在日コリアン弁護士協会が設立され、受け入れ態勢が整ったのを受けて今回の日本開催となった。
会議の参加者は日本から20人、米国から20人、それに韓国から60人、それにインドネシア、ドイツ、フランス、南米などで計100人以上。総会では在日コリアン社会の実態、人権状況、日本の憲法や入管問題についても報告される。
ペ弁護士は「数年前に初参加したが世界への視野が広がった。今度は彼らに在日のことを伝えたい。米国の弁護士は活動の範囲が広く、戦後補償問題で米国から訴訟を起こそうとの動きもある」と話す。
現在日本には60人ほどの韓国・朝鮮人弁護士がおり、そのうち約40人がコリアン弁護士協会に所属している。また米国には韓国系弁護士が約3000人いる。全米各州に存在しており、連携も強い。ポップス界のスーパースター、マイケル・ジャクソンの子どもへの性的虐待疑惑と関連した裁判で、おおかたの予想を覆して無罪を勝ち取った米国有数の弁護団の中にも、韓国系でサンフランシスコ出身のスーザン・ユ弁護士がいた。
米国で行われている日本軍慰安婦及び徴用被害訴訟の原告弁護団のクリストファー・キム弁護士は、86年にロサンゼルスに出来た米国最大のアジア系法律会社「リム・ルガーアンドキム」の共同代表で、祖母と父親が日本に対する独立運動を闘ってきたという経歴を持つ。
他の国でも教育熱心な韓国人家庭から、続々と弁護士が生まれている。