ここから本文です

2005/09/16

<在日社会>在日も高齢社会に突入

  • zainichi_050916.jpg

    86人在日高齢者が参加した婦人会東京主催の「第10回東京長寿会」

 9月19日は敬老の日。在日韓国民団などが前後して各地で催しを行っている。在日の高齢者(65歳以上)は2004年末現在で8万7422人。在日も高齢社会に突入した。

 在日韓国・朝鮮人の総数は2004年末現在で60万7419人、65歳以上は8万7422人(男性3万7776人、女性4万9646人)になる。高齢化率は14・4%になる。

 65歳以上の人口が総人口の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会といわれており、在日社会も高齢社会入りした。日本はすでに94年に高齢社会入りしている。韓国は現在9・1%で、2018年に高齢社会を迎える。

 この数字が裏付けるように、在日の高齢者問題は深刻化しつつある。

 在日韓国民団、朝鮮総連の両組織では、高齢者問題に関心を持つメンバーが、ホームヘルパーやケアマネージャーの講習を受けている。組織的にも民団足立のように1階を日本の介護事務所に貸し出し、在日向けの介護事業に乗り出したところもある。

 また民団中央は、婦人会中央など傘下団体とともに在日高齢者向け老人ホームの建設を計画しているが、実現には時間がかかりそうだ。

 東京・足立区で在宅介護サービス会社を経営する在日の張幸一さんは、「介護保険の仕組みや利用方法を在日社会も詳しく知る必要がある。家族で(高齢者介護)抱え込まないで積極的な利用を」と訴える。

◇婦人会東京は長寿会を開催◇

 婦人会東京(朴雲子会長)主催の第10会東京長寿会が13日、東京・南麻布の韓国中央会館で開かれた。

 朴会長は「きょう一日を楽しく過ごしてもらい、いつまでも健康でいてください」とあいさつした。高齢者86人(男性10人、女性76人)、家族32人が出席し、韓国伝統芸能のショーなどを楽しんだ。

◆婦人会活動に尽力 金玉淑さん(83、民団渋谷支部)◆

 民団東京の渋谷支部で最高齢となる金玉淑さんは1922年、咸鏡南道生まれ。6歳年上の鄭慶さんと41年3月に結婚して同年9月に渡日した。

北海道で生活の基礎を築き、祖国が解放されると夫は民族活動に邁進し、地元の民団創立に大きな役割を果たした。

 金さんは夫とともにスクラップ業を営みながら、夫の活動を支え続けた。愛用の自転車で鉄くず、銅線、アルミなどの買い出しを行う毎日。

 「仕事は大変だったが、家族のために頑張った。銅線やアルミの目利きで間違えたことはない」と、当時を振り返る。

 婦人会の活動にも尽力し、61年2月16日、婦人会北海道空知支部の創立に活躍し、副会長を務める。

 「資金集めのために会長とともに必死で動き回ったのが、いまも思い出される」と話す。東京に引っ越した後も、婦人会活動に取り組み続け、今日に至っている。

 韓国中央会館の1階ロビーの在日の歴史展示コーナーには、金さんの北海道時代の写真が展示されている。