きょう4月1日から新年度が始まる。在日韓国企業や駐日韓国企業でも入社式が行われた。新たに社会に飛び立つ在日、そして日本の若者の声を紹介する。
◇李 怜淳さん◇
在日3世。大阪生まれで朝鮮学校から神戸学院大学に進んだ。企業を相手にした仕事につきたかったので、それなら広告代理店と思い就職活動した。営業部に配属される。
女性の営業職はまだ少ないし、本名で働くので相手は覚えやすいと思う。それも営業に生かしたい。
韓流やW杯アジア予選の報道で盛り上がるかと思えば、北の拉致問題とすごく矛盾したマスコミ報道に疑問を感じている。営業先でそういう話も出るだろうから、素直に思うことを話したい。
一人の女性として、在日として、社会人として、仕事でも私生活でも主体性を持ち、自分らしさを大切に生きたい。
◇劉 明俊さん◇
大阪出身で明治学院大学卒の在日3世。ずっと英語を勉強していて、国際的な仕事をしたいと思い航空貨物輸送の近鉄エクスプレスを選んだ。東京本社に勤務する。
研修制度を利用して語学勉強をしたいし、将来的には海外勤務を希望している。東南アジアでも欧州でもどこでもいいので、海外で力を発揮してみたい。
ずっと本名を使っているが、学生時代は日本語読みの「メイシュン」だったので、就職に際し韓国語読みの「ミョンジュン」にした。在日韓国人であることをはっきり示したかったからだ。在日韓国人で入社するのは初めてと会社の人に聞いたが、だからといって在日を意識しすぎることなく働きたい。これからは韓国語も勉強したい。
◇洪 朱香さん◇
在日3世。神奈川生まれで東京造形大学を卒業した。以前テレビで韓昌祐会長を取り上げたドキュメンタリー番組を見て、一代でこれだけの大企業にしたこと、そして「人を大切にする」という経営姿勢にとても共感して、ここで働きたいと考えていた。
遊技業界はイメージアップに努力しているが、私たち若者が努力することで、さらにクリーンなイメージを作り出せればと思う。誇りを持って仕事に臨む社会人になるよう、一歩一歩努力していく。
在日コリアンとして祖父母や両親のたどってきた歴史を忘れないようにしたいし、韓国語も少ししか話せないので、今後勉強したい。
◇大賀進平さん◇
北里大学で食品関係について学んだので最初食品業界を希望していたが、㈱マルハンの全国展開を見て関心を持ち、この企業で自分の力を発揮してみたいと考えた。
ナンバーワンからオンリーワンといわれる企業になるよう、責任を持って仕事に携わりたい。常に夢を持った社会人でありたいと思う。
長崎出身なので韓国は地理的に近く、周囲に在日や韓国の人もいた。また長崎の韓国人被爆者の話なども学んだことがある。日本と韓国はサッカーのワールドカップ共催などで仲良くなったが、歴史問題などどうしても壁がある。お互いがもっとわかりあえるよう努力すれば解決できると思う。