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2006/12/01

<在日社会>韓国選手団839人、ほぼ全競技に出場

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    サッカー代表チームは11月28日、バングラディシュに3対0で勝利

 45の国と地域が参加し39競技424種目を競う「第15回アジア競技大会」が、12月1日から15日までカタールのドーハで開幕する。アジア大会が西アジア地域で行われるのは、1974年のテヘラン大会以来32年ぶりのことだ。韓国は釜山で開かれた前回大会と同じく総合2位を目指す。

 3回連続アジア大会総合2位を目指す韓国選手団は、チョン・ヒョンスク選手団長とイ・エリサ総監督などコーチ187人を含め、柔道、重量挙げなど、839人(男390、女262)の選手団で構成されている。

 ピム・ファーベーク監督率いるサッカー代表チームは11月28日、2次リーグB組の初戦となるバングラデシュ戦に臨み、3対0で勝利した。前半2分に李天秀、後半14分と29分に朴主永がゴールを決めた。朴主永はワールドカップドイツ大会に参加したが、その後長いスランプに陥っていた。今回のゴールが復活への足がかりとなることが期待される。

 韓国は2日にベトナム、4日にバーレーンと対戦する。サッカーでは北朝鮮と日本が同じF組で6日に対戦する。

 アジア大会の開会式で、韓国と北朝鮮の合同入場行進が実現する。

 合同行進は、2000年シドニー五輪で初めて実現。その後の主要な国際総合大会でも行われている。アジア大会では4年前の釜山大会に続き、2大会連続の開会式合同行進となる。北朝鮮オリンピック委員会の文在徳会長が韓国オリンピック委員会の金正吉会長に文書で提案していた。

 大会組織委員会(DAGOC)が選手村への食べ物の搬入を徹底的に禁止し、韓国選手たちが韓国の食べ物を口にできずにいる。

 すでに入国した野球代表と自転車、カヌー、ボートの選手らは、キムチ、カップ麺、いわし、海苔などに加え、滋養薬などまで没収され、大韓五輪委員会(KOC)の職員が強く抗議したところ、現地警察によって2時間あまり隔離され、陳述書を書いて釈放された。

 オリンピックやアジア大会では規定上、飲食物の搬入を禁止しているが、一部の食べ物に限っては見逃すのが国際慣例だった。キム・インスKOC国際部次長は「なぜここまで厳格にするのかわからない」と話した。

 選手村食堂ではアジア各国の食べ物を提供しているが、中東と中国の食べ物が主流だ。キムチも用意されてはいるが、量が少ないので選手に行き渡ってはいない。

 禁止措置はその後緩和され、カップラーメンと海苔は搬入が認められるようになった。

 野球は前回、前々回大会とも金メダルを獲得し、今回も優勝候補にあげられている。エースのリュ・ヒョンジン投手(ハンファ、19歳、投手タイトル3冠、新人王、MVPも獲得)に加え、第1回WBC(ワールドベースボールクラシック)で準決勝まで進んだベテラン選手5人が出場予定。金メダル獲得で徴兵免除の対象となる選手が13人いることも強みだ。

 プロ野球アジアシリーズでは日本、チャイニーズ・タイペイに敗れており、その雪辱も狙っている。そのチャイニーズ・タイペイは大リーグドジャースに所属するチェン・ジンフォン外野手ほか、WBC出場選手18人が参加する。日本チームは、トップアマチュア選手で臨むが、ベテランと若手がうまくミックスしたチーム構成となっており、どちらも強敵だ。

 北朝鮮は男女サッカー38人をはじめ、射撃、柔道、アーチェリー、水泳、陸上など16種目に162人(男子67人、女子95人)を派遣する。

 北朝鮮は釜山大会では9位(金9、銀11、銅13)を占めた。今大会では金メダル10個を含めて、計50個のメダルで釜山大会以上の成績を目指している。

 有力な金メダル種目は、女子サッカーに射撃だ。女子サッカーは9月、ロシアで行われた20歳以下世界青少年選手権大会で優勝するなど、世界のトップクラス。7日に組別リーグの最終戦で南北が激突する。

 射撃では、今年のゼグラブ世界選手権大会男子25㍍・スタンダード拳銃で銀メダルを取った金ジョンスと04年アジア選手権大会男子25㍍・センターファイア拳銃2位を占めた金ヒョヌンが出場する。

 また、全寿英(24、2段)、姜知衣選手(朝鮮大学校文学歴史学部1年、初段)の2人が空手代表としてアジア大会に出場する。全選手は男子組手65㌔以下級に、姜選手は女子組手48㌔以下級に出場。2人は8日に日本を出発する。