在日韓国民団中央本部の新団長に鄭進氏(チョン・ジン、69、長野県本部常任顧問)が選出された。民団は2月に開かれた第49回定期中央大会で河ビョンオク氏を団長に選出したが、5月の朝鮮総連との共同声明発表をめぐって内部混乱が生じ辞任。第50回臨時大会で新団長を選出する事態になっていた。鄭進・新団長は民団組織の立て直しに向けて重責を担うことになる。
新三機関長を選出する第50回臨時中央大会は21日、東京・南麻布の韓国中央会館で開かれた。
代議員501人が出席する中、団長に立候補した張熙東候補、鄭進候補、具末謨候補、金洪斤候補の4氏(届け出順)が所信表明を行った。
張熙東候補は、「創団60周年を迎えた民団は存亡の危機を迎えている。前団長の不見識が混乱を招いた」として、「私は民団の不正・腐敗を追及してきた実績がある。地方の声を聞く中央組織にすべく、民団改革を成し遂げる」と語った。
鄭進候補は、「民団は自分の故郷と思っている。(前回の選挙で敗れたが)民団に奉仕するために再立候補を決意した。民団が生活者団体として日本人との共存・共生を果たしていけるようにする。民団の正常化と内外の信頼を回復するために挙団体制を確立する」と述べた。
具末謨候補は、「500人ちょっとの代議員だけに投票権があるのはおかしい。選挙制度を改革して投票権のある者を増やす。開かれた組織にしないと若者が民団に出てこない。また団長立候補者の公開討論を行うべき。クリーンな選挙を行ってこそ良い指導者が誕生する」と訴えた。
金洪斤候補は、「民団の現状を見ると、団員の民団離れが深刻だ。いまこそ組織を立て直さないといけない。中央の予算を10%カットして地方に割り当てる。実務者の意識改革、ネットを活用した事業展開、青少年の民族教育に力を入れる」と強調した。
その後投票が始まり、張熙東候補74票、鄭進候補318票、具末謨候補=当日辞退、金洪斤候補108票、無効1で鄭候補の団長当選が決まった。
民団の再生、朝鮮総連との交流・和合、在日の権利獲得、後継世代の育成など、各種課題をどう果たしていくか、その舵取りが注目される。また5月17日の朝鮮総連との共同声明について真相究明委員会を作ることが確認された。
なお、単一立候補となった金廣昇議長候補と金昌植監察委員長候補は、無投票で当選が決定。