9月18日の敬老の日を前に、在日高齢者を祝う集いも各地で行われている。在日の高齢者(65歳以上)は2005年末現在で9万265人になった。一方、韓国の高齢者は438万3000人。2018年に高齢社会入りする。
法務省入国管理局によると2005年末現在の在日韓国・朝鮮人の総数は59万8687人、そのうち特別永住者は45万1909人になる。
65歳以上の高齢者は男性3万8677、女性5万1588人で総計9万265人。高齢化率は15・1%になる。65歳以上の人口が総人口の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会とされており、在日社会は昨年14%を超えて高齢社会入りしたが、さらに進んだ形だ。
在日高齢者については、無年金問題が大きな課題となっており、裁判、行政への申し入れ、署名活動などが各地で取り組まれている。東京では葛飾区が来年4月から「在日外国人無年金高齢者を救済する特別給付金」の支給を予定している。民団、総連、日本の市民団体などの長年の活動が実を結んだもので、都内では豊島区に次いで2番目となる。他にも請願活動に取り組んでいる地域がある。
在日高齢者が介護保険制度によるヘルパー利用にあたって、在日ヘルパーを求めるケースも増えている。
東京・北区を拠点に、荒川、足立など在日密集地を訪問している在日のケアマネージャー林瑛純(リム・ヨンスン)さんは、「生活習慣や食生活の違いなどがあるので、在日のヘルパーに来てほしいという在日家庭は多い。そのニーズに応えるために在日のヘルパー養成活動にも取り組んでいる。また訪問先の1世から聞き取りを行ない、渡日史を残そうとも考えている。話を聞いてほしいという1世の要望にも応えられる」と話す。
また同胞密集地では在日の独居老人家庭も多く、貧富格差が目立つとのことで、「在日団体などで実態調査が出来れば、今後に役立てられるのでは」と語る。
韓国は、世界で最も高齢化が急速に進んだ国だ。欧米諸国に比べて高齢化のスピードが速かった日本と比べても韓国の高齢化スピードはそれを上回る。韓国・統計庁によると2000年に高齢化社会(総人口の7%以上が65歳以上)に突入、2018年には高齢社会(14%以上)、2026年には超高齢社会(20%以上)に突入すると予想されている。
高齢化社会から高齢社会に移行するのに18年、高齢社会から超高齢社会に移行するのにわずか6年しかかからない。2017年には、総人口における65歳以上の割合が初めて幼年人口(14歳未満)を上回る。
2005年現在、総人口(4829万4000人)のうち65歳以上の割合は9・1%(438万3000人)で、2004年の8・7%(418万2000人)に比べ0・4ポイント増加し、10年前の1995年の5・9%(265万7000人)と比べて3・2ポイントも増加した。
一方、生産年齢人口(15~64歳)の高齢者扶養割合も、1990年7・4%、1995年8・3%、2000年10・1%、2005年12・6%と年々増加し、2030年には37・3%に達すると見込まれている。これは生産年齢人口2・7人が高齢者1人を支えることを意味する。
また、地域間の高齢化格差も拡大、すでに超高齢社会に突入した基礎自治団体は35カ所に上り、2003年に比べ5カ所が増えた。半面、広域市の蔚山は高齢人口比率が5%と最も低く、ソウルと残りの5広域市はすべて6~7%にとどまり、地域間の高齢化格差が2~3倍に広がっている。