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2006/09/08

<在日社会>民団中央団長選挙、4氏の争いに

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                張熙東候補 (チャン・ヒドン) 
                1932年生まれ。明治大学文学部卒業。
                民団中央本部顧問。

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                鄭進候補 (チョン・ジン) 
                1937年生まれ。日本大学経済学部卒業。
                民団長野県地方本部常任顧問。

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                具末謨候補 (グ・マルモ) 
                1935年生まれ。延世大学博士課程修了。
                民団東京新宿支部顧問。

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                 金洪斤候補 (キム・ホングン) 
                 1932年生まれ。拓殖大学政治経済科卒業。
                 民団中央本部顧問。

 在日本大韓民国民団(民団)の第50回臨時中央大会(21日開催)の三機関長選挙立候補の届けが、8月30日に締め切られた。団長選挙には当初5氏が立候補したが、洪采植氏が3日に立候補を取り下げたため、残る4人による団長選挙となった。各候補の公約を紹介する(登録順)。議長と監察委員長はそれぞれ、現職のみの単独立候補となった。

 今回の臨時中央大会は、河ビョンオク・中央団長の辞任を受けて開かれる。

 団長選挙に立候補したのは、洪采植(ホン・チェシク、73、横浜商銀理事長)、張煕東(チャン・ヒドン、73、中央本部顧問・写真=上段左)、鄭進(チョン・ジン、69、長野県本部常任顧問・写真=上段左から2番目)、具末謨(グ・マルモ、70、東京新宿支部顧問・写真=左から3番目)、金洪斤(キム・ホングン、74、中央本部顧問・写真=上段右)の5氏(登録順)。しかし、洪采植候補が3日付で立候補を取り下げたため、4人で選挙が争われることになった。

 洪采植候補と鄭進候補については、2日に開かれた両者の協議で鄭進候補に一本化することを決めたものだ。

 各団長候補の所信表明を比べてみると、張候補は、中央本部監察委員長時代に「不透明な財政運営と管理などを是正しようと果敢に挑戦した」ことをあげ、「民団は、いま、まさに崩壊寸前の重大な危機に直面している」として、「民団意識構造大改革」を断行するとしている。

 鄭候補は、前回の立候補時に「歴代の中央執行部に対する批判の強さを肌で感じた。その根底には中央と地方の意思疎通の不足、あらには民団の先行きに対する不安、その克服政策を明確に示せなかったことへの不信」があったとして、当選したら「中央に対する批判に謙虚に耳を傾け、組織運営にあたる。民団の正常化と内外の信頼を回復」するとしている。

 具候補は、「国政参与の権利を要請、組織の代表を選ぶ権利、すなわち直接選挙に向けての規約改正、永住権所有者の海外旅行に際しての再入国許可の撤廃」などをあげ、さらに「在日社会の『和合と団結』を推進する。60年も続いている分裂・対立を克服するために、南北対立の心の『壁』を無くすキャンペーンを繰り広げる」とした。

 金候補は、「河前団長の掲げた『改革民団』の一言については、支持し共感した。なぜなら民団運営はまさに危機的状況にあるからだ」とした上で、「混迷の深まる民団内の和合を積極推進し、地方組織の活性化を図る。そのために民団中央の予算を10%カットし、地方組織の活性化に充当する」と述べた。

 9日に合同演説会が始まり、投票まで2週間ほどしかないことから、各陣営とも早急な票固めに追われている。

 民団内部の混乱を早期に収拾し、真に団員のための民団に再生していくことができるか。また総連との和解・和合は今回挫折したが、多くの在日同胞がこれを望んでいることは確かである。多くの課題を具体的に推進していく方策はあるのか、合同演説会での各候補の発言が注目される。

 代議員は定数550で現在在籍530。大会当日の出席者の過半数を得れば当選だが、過半数に達しない場合は、1、2位の決選投票となる。

 なお2月の大会では選挙人制度が導入されたが、同制度は定期大会に限定された制度なので、今回の臨時大会には適用されない。


■張煕東候補・民団意識構造改革を

 失墜した民団の権威と威信を一日も早く回復できるように努力。

 民団組織から、官僚的な権威主義、独善的な自己主義、惰性的な追随主義、嘘装的な愛団主義を一掃するため、「民団意識構造大改革」を断行。

 傘下団体の育成強化と後継世代の育成問題は、民団の命運を左右する重大な事案。傘下団体からの要請事項を真摯に傾聴し、青少年対策の諮問機関も設置して、諮問は積極的に収斂し実践する。

 在日同胞の差別的な地位と処遇を改善するための、権益擁護・生活権の拡張運動を達成するには、地方参政権獲得を最優先課題としてとらえ、運動に全力を注ぐ。

 民族教育は、同胞社会の存廃に直結する重大な事項であることを認識し、積極的な対策と方案を講究する。


■鄭進候補・民団正常化し挙団体制を

 地方と現場の目線を大切にし、中央に対する批判に謙虚に耳を傾ける。まず創団60周年を成功させ、民団の正常化と内外の信頼を回復し、挙団的な体制を確立する。

 ▽全国幹部との対話・討論を密にし、正常化へ挙団体制を確立する。

 ▽日本社会との信頼を回復し、本国との紐帯を強化する。

 ▽組織に活力をもたらす幹部政策を確立し、青年活動家を育成するとともに、地方を支援する機動力を確保する。

 ▽財政基盤造成委員会を設置し、自主的な健全財政基盤を造成する。

 ▽地方参政権獲得へ多角的にアタックする。

 ▽韓信協と全面的に協力し、民族金融機関の育成、統合を積極支援。

 ▽総連との交流事業を人権尊重と民主原則に則り、着実に推進する。
 

■具末謨候補・在日の「和合と団結」推進

 私達「在日」同胞が人間としての尊厳と誇りを失わずに生きて行ける生活環境を作って行く。

 ▽地方参政権を相俟って、国政参与の権利を要請する。

 ▽所属する組織の代表を選ぶ権利の取得、即ち、直接選挙に向けての規約を改正する。

 ▽永住権所有者の海外旅行に際しての、「再入国許可」の撤廃を獲得する。

 ▽6・15宣言以来、日本各地域での同胞の交流和合の場を拡大し、信頼に裏打ちされた対話を積み重ね、交流を深める。

 ▽創団60周年という記念すべき歴史的節目を期して、全ての停権等の処分を一度見直す形で「赦し」の恩恵を施し、「在日」の大同団結をはかる。

 ▽ハングルの大々的な普及運動をはかる。

 
■金洪斤候補・団員に奉仕する指導機関に

 民団中央の予算を10%カットし、地方組織の活性化に充当する。過疎地域の県本部・小規模支部に対しては専門の対策委員会を設置し、積極的に書類または現地調査等により年40~50ヵ所の組織に応援をする。

 ▽民団内の和合を積極推進し、地方組織の活性化を図る。民団中央は真に団員に奉仕する最高の指導機関としての役割を担わなければならない。

 ▽オリニジャンボリー事業等を更に発展させ、在日3~4世が誇りをもって生きていけるよう、民族教育に力を注ぐ。

 ▽地方参政権運動は、民団の最重要課題であり、積極的に推進。

 ▽脱北者支援運動は、民間団体とも協調しながら積極的に対処。

 ▽地方本部や傘加団体との対話による協調体制の確立を図る。

 

●議長立候補者
1 金廣昇(キム・グァンスン、73、中央本部議長、写真=下段・左)

●監察委員長立候補者
1 金昌植(キム・チャンシク、68、中央本部監察委員長、写真=下段・右)


■合同演説会の日程■
9日(土)近畿地区=民団大阪本部会館
10日(日)中北地区=民団愛知県本部会館
13日(水)九州地区=民団福岡本部会館
14日(木)中国・四国地区=民団広島本部会館
16日(土)東北地区=民団宮城本部会館
17日(日)関東地区=韓国中央会館(中央本部)
※各地区とも午後2時開始