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2006/06/16

<在日社会>近畿産業信組、九州に拠点確保

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    近畿産業信用金庫と長崎商銀が合併し、近畿産業信組長崎支店がオープン(12日・長崎)

 近畿産業信用組合(本店・大阪市天王寺区)と長崎商銀信用組合(長崎市樺島町)が12日、正式に合併し、長崎商銀本店は近畿産業信用組合長崎支店に衣替えした。遠隔地合併がどういう相乗効果を生むか、今後注目される。

 長崎商銀で行われた合併式には、駐日本国大韓民国大使館の金イルス・財政経済官、在日韓国人信用組合協会の洪菜植会長、あすなろ信用組合の尹昌旭理事長、九州幸銀信用組合の金泰汶(キム・テムン)など、来賓多数が出席し、テープカットが行われた。

 八田富夫・近畿産業信用組合理事長は、「趙鶴来・長崎商銀理事長からの話があり、長い年月をかけて正式合併にこぎつけた。飛び地合併でもあり、関係当局の関心も高い。在日、地域の皆さんの役に立つように努力していく」とあいさつした。

 近畿産業32店舗に長崎商銀の長崎支店、諫早支店、佐世保支店の3店舗が加わり、近畿2府5県の広域信用組合に九州エリアの飛び地の3店舗が加り、九州に拠点が出来たことになる。3支店は今後、近畿産業信用組合の資金力を背景に、顧客への対応力を高めていく。

 この間、金融機関は生き残りのために情報開示と経営健全化が強く求められてきた。在日信用組合も統合に積極的に取り組んできた。

 金融機関で凍結されていたペイオフ(預金保険の対象商品で、元本1000万円までとその利息を保護する措置)が2005年4月に全面解禁されて以降、その動きはさらに進んだ。昨年12月には九州幸銀信用組合と佐賀商銀信用組合が「健全経営」と「安定収益の確保」のために合併した。

 今回の近畿と長崎の合併も数年前から水面下で進められていた。趙鶴来長崎商銀理事長は、「金融環境が厳しい中、スケールメリットがある」と、合併のメリットを語っていた。

 近畿産業信用組合は京都シティ信用組合が前身。2001年に大阪商銀を事業譲受し近畿産業信用組合に名称変更。その後、2002年5月に京都商銀、同年6月に関西興銀を事業譲受。

 近畿産業信用組合はこの合併で、預金5757億5100万円、貸出金3288億1700万円、預貸率57・11%、自己資本比率9・02%、組合員数7万2412人、職員数634人、店舗数35になる。近畿産業信用組合は、全国信用組合180の中で、預金量3位を誇っている。

 九州地区は長崎県のほか、九州幸銀信用組合の営業基盤である福岡、佐賀、熊本エリアと、民族系金融機関のない宮崎、鹿児島エリアなどに分けられており、今後の展開が注目される。