世界的エンターテイメント企業を目指すマルハン(韓昌祐会長)が、海外事業の一環としてマカオのカジノ事業に続き、東南アジア進出の窓口として、今後高い経済発展が見込まれるカンボジアに進出して、銀行設立など多角的な事業展開を行うことになった。
韓昌祐・マルハン会長は、7月にカンボジアのフンセン首相と首相官邸で会談し、「カンボジアの経済発展に役割りを果たす一方、カンボジア国民に希望と勇気を与えたい」と述べ、フンセン首相から「政府も支援、協力する」との返事をもらった。
これに伴い9月、カンボジアにおいて、マルハンの100%出資による「マルハン・カンボジア・ コーポレーション(略称MCC、朴瑛玉社長)を設立した。さらに、このMCCは地元の有力実業家であるフオット・ヴァンタン氏が経営している投資銀行を商業銀行(資本金2000万㌦、株式所有はMCC85%、フオット・ヴァンタン15%)へ転換して、マルハン ・ジャパン・ バンク(仮称)を設立するためのMOUを10月、マルハン東京本社で締結した。
同銀行はカンボジアにおいて、日本企業が初めて出資する商業銀行として、2008年3月にも営業を開始する予定だ。
マルハン・ジャパン・バンクは、2010年に予定されているカンボジアの証券取引所開設に向けて、上場を目指す企業に投融資する一方、マイクロクレジットと呼ばれる貧困層を対象とした融資事業も行い、今後、東南アジアに支店を持つ銀行として事業を拡大していく予定だ。
また、マルハン・カンボジア・コーポレーションを中心とする不動産開発事業、ゴルフ場開発事業、宝くじ事業、エンターテイメント事業なども推進し、さらに社会貢献活動の一環として、スポーツ振興(サッカーをはじめその他スポーツ支援事業)、文化、芸術支援事業も進めてゆく計画。
◆ポスコ建設と覚書を締結
マルハンはこのほど、韓国最大手の鉄鋼企業ポスコ傘下のポスコ建設との協力関係構築のため、覚書を締結した。
今後ロシアのウラジオストック、サハリン、カンボジアのプノンペン、米国のグアム、韓国、香港、マカオ、中国、ベトナム、フィリピン、タイ(プーケット)などでの不動産開発およびリゾート開発における業務を行う計画だ。
特にグアムについては、ポスコ建設による不動産開発とリゾート開発の調査を終え、共同開発を具体化する予定。