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2007/10/19

<在日社会>光州市立美術館新会館オープン・「在日の花」展を開催

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    移転した光州市立美術館が11日オープン

 光州市立美術館が会館15周年を迎え、仲外公園内の新築美術館に移転。11日に開館式が行われた。同美術館には在日2世の実業家、河正雄氏(埼玉県・同美術館名誉館長)が美術作品を寄贈。それを紹介する「光州市立美術館新築記念 河正雄コレクション精華展」が開かれている。

 光州市立美術館は92年、韓国初の地方公立美術館としてオープンした。しかし、文化芸術会館の附属施設を改築した施設のため、美術館としては不備な点がこれまで指摘されていた。

 今回の新築移転により、光州市立美術館は美術館として立派な機能を備え、新たな出発を迎えることになった。

 河正雄コレクションは、河正雄氏が私財を投じて長年収集してきたもので、李禹煥さんなど世界的に高く評価されている芸術家の作品も数多い。その河正雄コレクションは93年、99年、2003年と3回にわたり寄贈された。内訳は在日韓国人作家822点、韓国人作家632点、日本人作家183点、西欧人作家79点、崔承喜写真作品148点など全1865点におよぶ。

 今回の「在日の花 精華展」では、李禹煥、郭仁植、文承根など8人120点の在日作家の作品が展示される。これらの作家は在日1世または2世で、韓日現代史の中で傷つき、韓日両国の間で浮遊する存在として生きてきた在日韓国人の生と社会を理解することができる作品として選ばれた。

 「光州市立美術館が創立されて15年になるが、この間に8人の作家の作品は常設、回顧、記念展などで随時紹介されてきた。

 在日の作家群が果たした20世紀後半期の韓日美術界の歴史を検証し、その存在が果たした役割の意味を回顧顕彰する事が河正雄コレクションの再照明に繋がると思う。

 光州市立美術館の15年の営みは新美術館のスタートの為の助走の時期であり、研究、試験の準備過程であったとも思う。今回の展示を通して河正雄コレクションに対する学芸研究が本格的に進められ、評価の見通しの機会になると信じる。

 引き続いて韓国作家や外国作家の河正雄コレクション展をも開催して全豹を示したい。河正雄コレクションの位置と存在が韓日美術界はもとより、世界に明確になる事を期待したい」


◆在日美術の意味とは 金姫娘(光州市立美術館学芸員)

 「祈りの美術」と称えられる河正雄コレクションは河正雄さんの自画像であると同時に、桎梏の歴史を送ってきた在日・海外同胞、疎外され抑圧された者等、社会的・政治的・経済的に日陰の生活を送ってきた者等の自画像である。

 「在日の花」に展示される作家たちは全和鳳、宋英玉、チョ・ヤンギュ、郭徳俊、郭仁植、李禹煥、文承根、孫雅由、など8人。

 河正雄コレクションの在日作家24人の中から上記の8人を選定した理由は、まずこれらの作家は在日韓国人1世または2世であり、河正雄コレクションの意味と性格をよく現しているという点、そして彼らの作品には作家自身の生と在日韓国人としての生がそっくりそのまま融合しているという点である。これらの作品からは桎梏の現代史の中で傷つき、韓日両国の間に浮遊する存在として暮らしてきた在日韓国人の生と社会を理解することができる。

 「在日の花」展を通じて河正雄コレクションの意味と価値を振り返り、寄贈の社会的功績と意味、そしてメセナ精神の本当の意味を喚起したい。

 また、韓日両国どちらにおいても正面から取り上げられることのない、ブラックホールのような在日美術へ関心を引き、再評価される機会、ひいては在日作家の美術作品を通じて日本による植民地時代以後の在日海外同胞の歴史とアイディンティティを考察し、彼らの痛みを癒す機会となったら、と思う。

 これらの作品は在日韓国人が経験した民族的ハン(恨)や苦痛、絶望、死、そして彼らが切に希望を求める願い、そのための祈祷、慰霊、鎮魂の意味を含み、あるいはその実践がテーマの主流を成している。

 在日海外同胞たちの苦難の歴史を理解するのに重要な資料になるだけでなく、韓国美術史上は正面から日を当てられることのない在日作家について、これを広く伝えまた研究資料として活用できるようにするという点で美術史的な意味を持つ。