近畿産業信用組合(青木定雄会長、八田富夫理事長、本店・大阪市)が、今期中に普通銀行に転換申請する準備をはじめたことを23日明らかにした。認可申請は今期中に行い、できれば来期中に許可を受けたい意向だ。
近畿産業信用組合は、大阪府を地盤にする在日韓国系の信用組合だ。大手タクシー会社エムケイ(京都市)の創業者である青木定雄(兪奉植)氏が会長を務めている。
信用組合が普通銀行に転換した場合、大企業など不特定多数との取引が可能になる。また営業エリアの限定がなくなる。近畿産業信組は、普銀への転換によって営業地域を拡大し、経営規模の拡大を図るのが目的だ。実現すれば信用組合として初の普銀転換となる。
青木会長はすでに非常勤役員や関係者などから1000億円の追加出資の内諾を得ているという。さらに一般出資1000億円を募り、総額約2000億円の資金を集める予定だ。
また、組合員や関西圏在住の在日韓国人などに申請の是非について意見を求め、併せて賛同時の出資金の予定などを問うアンケートを実施するという。
組合員の了承を受けられたら来年3月末までに金融庁へ認可申請する予定である。
近畿産業信組は1953年、芸術家、芸能家、芸術愛好家の職域信用組合として、京都市に「日本芸術家信用組合」としてスタート。1989年に名称を「京都シティ信用組合」に変更。2001年5月に信用組合大阪商銀を事業譲受して、名称を「近畿産業信用組合」に変更した。
2002年5月に信用組合京都商銀を事業譲受。同年6月に信用組合関西興銀を事業譲受して、本店事務所を大阪市天王寺区に移転した。昨年6月には長崎商銀信用組合と合併し、今日に至っている。
今年3月末の総預金5802億円、貸付金3408億円、組合員数8万240人を達成し、業績を着実に伸ばしている。