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2007/04/06

<在日社会>新社会人スタート・在日社会に貢献を

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    世界進出を狙うマルハンには362人の新社会人が入社した

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    24人が日本サムスンに入社、李昌烈社長㊧から辞令を受けた

 2日に新年度が始まり、新社会人が誕生した。在日の新社会人、そして駐日韓国企業に入社した日本の若者を紹介する。

◇マルハン◇

 エンターティメント業界最大手のマルハン(韓昌祐会長)の入社式(写真上)は、新年度に先立つ3月30日、都内のホテルで行われた。今年の新入社員は362人(男性274人、女性88人)で、4年制大学卒が8割近い。

 韓昌祐会長は、「今後10年から30年かけてアジア、そして世界に進出していく。そのためにみなさんの役割は大きい。ハングリー精神、チャレンジ精神を持ってがんばってほしい。また親孝行を大切にすることを約束してほしい」とあいさつ。

新入社員全員声をそろえて「約束します」と誓った。

◇日本サムスン◇

 日本サムスンの入社式(写真下)は2日、東京・六本木の日本サムスン本社ビルで行われた。今年は24人(男性19人、女性5人)が入社。

 李昌烈社長は、「サムスンは世界の一流企業を目指し、『創造的革新と挑戦』という経営方針を掲げている。みなさんはフレッシュな視点、感覚で創造的革新を実行し、また、つねに向上心を持ち続けてほしい。一流のビジネスマン、ビジネスウーマンになるための支援を惜しまない」とあいさつした。

◇あすか信用組合◇

 在日韓国系のあすか信用組合(李英植理事長)の入組式は3月30日、東京・新宿の本店で行われた。今年は30人(男性12人、女性18人)が入社。李理事長は、「よく働き、よく学んでほしい」と、新入社員を激励した。
 

◆グローバルな社会で活躍を 金宰豪さん(22、マルハン)

 吉備国際大学社会学部卒。在日3世。マルハンへの入社を決意したのは「業界を変える」という熱い想いがあったから。この熱き想いと企業としての基礎があれば、日本のエンターティメントの在り方そのものを変えることができ、「世界レベルのエンターティメント企業」になると感じた。そんな社会の一員として、自分がどれだけ貢献できるかを試したいという気持ちがある。

 日本で働く在日韓国人として良い影響を発揮できるように頑張りたい。また、国籍に関係なくボーダレス化したグローバル社会で通用する社会人に成長していきたい。

◆半導体分野で能力を発揮 黒崎 通介さん(24、日本サムスン)

 慶應義塾大学総合政策学部卒。学生時代に延世大学に1年間交換留学した。日本、韓国、中国のエネルギーセキュリティが研究テーマで、例えばハイブリッドカーがそれぞれの国でどれだけ使われ、理解されているかなどを研究した。

 韓国は日本に一番近い国であり、韓流ブームもあったが、日本人はまだまだ韓国のことを知らないと思う。サムスンで働きながら、韓日交流にも貢献できればと思う。半導体分野で働き、能力を発揮したい。

 「やれば出来る」の精神で取り組みたい。

◆韓日経済の発展に貢献を 渡辺 香奈子さん(23歳、日本サムスン)

 都留文科大学社会学科を卒業。友人と韓国旅行したとき、街並みが日本と似ていることに驚き、韓国に強い関心を持つようになった。2005年に10カ月間、延世大学校語学堂に留学。友人も多く出来て、韓国と関連のある仕事に就きたいと思った。

 また、サムスンの携帯電話とか液晶テレビなどとても素晴らしいという印象が留学時代にあったので、サムスンを希望した。

 サムスン製品を紹介することで、韓日経済の発展に貢献したいと思う。

◆在日と日本を結びたい 高 容均さん(22、あすか信用組合)

 神奈川大学経済学部卒。在日3世。足立区の在日密集地で生まれ、高校まで民族学校に進むなど、在日社会で育ってきた。

 金融はビジネスの原点だと思うし、在日の信用組合で働くことで、在日社会に貢献できればと考えた。また在日社会と日本社会を結ぶ役割も担いたい。

 早く仕事を覚え、将来はみんなを引っ張ることができる存在になりたい。

◆地域に密着し在日のために 韓弘恵さん(22、あすか信用組合)

 清泉女子大日本文学部卒。在日3世。地域に密着して人を大切にする金融機関という信用組合の理念に共鳴した。また在日として、同じ在日の人の役に立てればと考えた。

 荒川の在日密集地で育ったが、学校はずっと日本名で通っていたし、韓国のことはよく知らない。これから歴史を勉強したいし、食文化にも興味があるので、韓国料理も学んでみたい。資格も取り、一人前の社会人に早くなりたい。