韓国の米国入国ビザが免除されることになり、早ければ来月17日から、遅くても来年1月からノービザによる米国訪問が可能になる。ブッシュ米大統領が18日、韓国など7カ国を1カ月以内にビザ免除制度(VWP)加盟国として適用する」と発表したもので、これにより最大90日間、韓国人のノービザ訪米が可能になる。韓国政府発行の電子パスポートを所持していることがノービザの前提条件で、在日社会でも11月24日から電子パスポートの発給が始まる。
米国へのノービザは観光またはビジネスなど90日以内の短期入国者に対してのみ免除される。米国が新たに取り入れた電子入国許可制度(ETA)に基づく措置で、ノービザで米国へ行くには、米国の電子旅行許可(ESTA)サイトにアクセスし、名前と生年月日、国籍、性別、電話番号、旅券番号などの17の必須情報、それに住所を含む4つの選択項目を入力すれば、すぐに入国可能かどうかが確認できる。一度許可を受ければ、2年間、米国への入国が可能となる。
これまで韓国では、ビザ申請から発給まで1~2週間待たなければならず、ソウル光化門にある米国大使館前でのビザ申請者の行列は社会問題ともなっていただけに、ビザ申請が数分で済むのは朗報だ。昨年は36万人が観光およびビジネス目的で米国ビザを申請し、1人当たり33万ウォンの手数料を払っていた。ノービザにより年間1000億ウォンを節約できるともいわれている。
ただしノービザで旅行するためには、ICチップを埋め込んだ電子パスポートの発給が必要となる。電子パスポートは偽造防止に有効として、各国で導入が促進されている。
韓国ではすでに一般国民向けに電子パスポートの発給が始まっており、在日韓国人を含む海外在住韓国人についても、11月24日から各国で同時に発給が始まる。
三菱商事に勤務する在日2世の李明浩さんは、「これまでは米国に入国するには、ネットで申請して予約をした上で、大使館に行かなければならず、1日会社を休む必要があった。グローバル化の時代、在日韓国人も世界で活躍しているので、遅ればせながらいいことだと思う」と話す。
在日3世の会社員、金里沙さんは、「家族でハワイ旅行したことがあるが、長野から大阪の米国領事館まで全員申請に行かなければいけないため、時間のロス、費用とも大変だった。ノービザになることで、旅行がしやすくなるのは大歓迎」と語る。
旅行業界などでは、在日韓国人の米国旅行が増えるのでは、との声が出ている。