来日した李明博大統領は20日、都内のホテルで在日韓国人との懇談会に出席。翌21日には民放の市民との対話番組に臨み、「韓日の若者が未来を見つめて生きることを願う」と、若者の相互交流に期待を表明した。
李明博大統領は都内のホテルで開かれた在日韓国人による歓迎レセプションで、花束の贈呈を受けた後、約30分にわたって話した。
韓日間の歴史認識をめぐる問題については、「日本に対して毎回謝罪するよう要求することはしない。日本が心から韓国に謝罪することこそが真の謝罪であり、無理に謝罪をしても謝罪にはならない」述べた。
さらに、「遠くない歴史の中で心が傷つく出来事もあったが、過去だけを持って明日を、そして未来を生きることはできない」と、未来に大切にする考えを強調した。
これは、過去よりも新たな韓日関係を形成しようという「実利外交」を反映した発言だが、同時に日本側の自主的な反省も促すことを忘れなかった。
テレビ番組で歴史問題について質問された際、「子ども時代に友人に殴られたことがあり、その痛みは今も忘れていない。しかし、数十年ぶりにあったその友人は、自分が殴ったことを忘れていた。加害者と被害者とはそういうものではないか」とのエピソードを紹介したのが、その表れだ。
今回の訪問で李明博大統領がもっとも強調したのが、韓日の若者への期待だ。レセプションでも在日の若者からの質問を要望。さらに、日本の若者との対話をしたいとテレビ出演にも積極的に応じた、会場からの質問にも丁寧に答えていたのが印象的だった。
最近の韓国の若者について聞かれると、「自分たちが育った時代と比べて(考え方や価値観が)違うのは当然なことだ。(いま就職難だが)若者たちがより良い仕事を見つけられるよう、経済回復に最善を尽くしたい」と述べた。さらにハングルを学ぶ日本の若者には、「韓国に関心を持ってくれることに感謝したい。韓国の若者と交流し、若者同士仲良くなることが大切」と述べ、韓日次世代の交流と相互理解に強い期待を示した。
そして在日韓国人の地方参政権問題については、「日本に来たくて来た人もいれば、仕方なく来た人もいる。困難な状況の中でも大韓民国民として強く生きてきた。(日本政府は)そろそろ地方参政権を与えてもよいのではないか。韓国では永住権取得者が3年以内に選挙権が得られる、国際社会にふさわしい法を作った。日本もこれを参考とすべきだ」と話した。