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2009/03/27

<在日社会>地球の清さと美しさ、宇宙で実感

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    宇宙について語る李素妍さん

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    イ・ソヨン 1978年韓国・光州生まれ。韓国科学技術院で機械学の学士号と修士号を取得し、博士課程で生命工学研究。2006年宇宙飛行士候補の一人に選出され、ロシアで訓練を受ける。2008年2月韓国科学技術院から博士号を授与。

 韓国初の宇宙飛行士となった李素妍さん(30、韓国航空宇宙研究院)が日本を訪問し、24日に東京韓国学校、25日に大阪・金剛学園で特別講演を行った。日本で生活する韓国学校の学生に韓国科学技術の発展を伝えると共に韓国人としての誇りを高める目的されたもので、李素妍さんは「韓国初の宇宙飛行士の宇宙に向けた挑戦」と題して、スライドを交えながら、宇宙飛行士の選抜やトレーニング、宇宙飛行の経験談などを語った。

 東京韓国学校の学生・生徒・保護者など約300人の前で李素妍さんは、「多くの海外同胞に私の体験を伝えることが出来ることはうれしい」とあいさつした後、宇宙飛行士としての訓練、宇宙生活などについて90分に渡って語った。

 李さんは韓国科学技術部が商用宇宙飛行士の権利をロシアから購入し、韓国人を搭乗させるプロジェクトを始めたことを受けて、選抜テストに臨むことになった。2006年9月、志願者は全体で3万6206人に及び、そこから第1次審査で245人が通過、さらに第2次で30人、第3次で10人となり、最終テストを経て李さんと高山さん(31)の2人が選抜された。そして2007年3月からガガーリン宇宙飛行士訓練センターで宇宙生活の適応と科学実験などの訓練を1年間受けた。

 李さんは、「3万人の中から選ばれる過程で、一般教養試験が大変だった。毎日課題を持って取り組み、努力することで自分の夢が果たせる」と、普段の勉強の大切さを強調した。

 ロシアでの訓練については、「ロシア語が不自由だったので、ロシア人の宇宙飛行士とのコミュニケーションにとても苦労した。韓国人は高さんと2人だけだったので、励ましあいながらやってきた。異国で生活する大変さは骨身にしみているので、日本で暮らすみなさんの苦労も理解できる」と話した。

 さらに、「ロシアでは韓国人の代表として見られるので、韓国人として恥ずかしくないように、常に誇りを持ち、生活や言動に気をつけた。みなさんも日本で韓国人としての誇りと責任を持って生きてほしい」と強調し、生徒の自覚をうながした。

 宇宙飛行士第1号となった緊張、宇宙船が発射されるまでの緊張状態について語った後、宇宙での生活について、「宇宙酔いに苦しんだこと、排泄物が浮かぶのでトイレが大変だったこと、水不足で料理を温めるのに小便を利用したことなどを今もよく覚えている。宇宙食パーティーではキムチ、ラーメン、コチュジャンの宇宙食の人気が高かった」と話し、「宇宙船から見る地球は本当に清く美しかった。船内では皆が協力して生きたが、地球も大きな宇宙船であり、皆で助け合い、美しく暮らせたら素晴らしいと感じた」と述べ、本当に幻想的な日々だったと強調した。

 李素妍さんは地球への帰還時に、カプセル状宇宙船のパラシュートが故障したため、予定地点から約420㌔離れたカザフスタンに着陸、その時の衝撃で腰と首を痛め、入院生活を送った。安静と治療を経て、いまは日常生活に支障がないという。李さんは今年10月に大田で開かれる国際宇宙会議の広報大使に選ばれ、宇宙研究の大切さを訴えるために、現在、世界を飛び回っている。

 東京韓国学校の関係者は、「日々の努力の大切さ、宇宙を身近に感じること、そして地球に暮らす人々全員が仲良くすることの大切さを伝えてもらった」と感想を述べた。