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2009/07/03

<在日社会>信用組合、各地で総代会

  • 信用組合、各地で総代会①

    中央商銀信組総代会

  • 信用組合、各地で総代会②

                南基煥・中央商銀新理事長

  • 信用組合、各地で総代会③

    近畿産業信組総代会

  • 信用組合、各地で総代会④

    あすか信組総代会

  • 信用組合、各地で総代会⑤

    愛知商銀総代会

 在日韓国人信用組合の総代会が、6月下旬に相次いで行われた。中央商銀が職員不祥事の責任をとって理事長が交代した。各信用組合とも生き残りをかけ将来の再編を模索しており、情報開示、不良債権処理など開かれた経営が一層求められている。民団は在日金融機関への預金運動を行っているが、「巨額貸付金回収にも協力できなのか」との声もあがっている。

◆中央商銀信用組合◆

 中央商銀信用組合の第2期総代会が横浜市の同組合本店で開かれ、洪采植(ホン・ジェシク)理事長の退任を受け、新理事長に副理事長の南基煥氏(ナム・ギファン、72)が就任した。

 職員による4億6500万円の横領事件の責任を取って退任した洪理事長は「考えられない恥ずかしい不祥事が起きた。責任をとって辞任する」と述べ、総代に謝罪。また、直属上司の文田朗常勤理事も責任をとる形で辞任。陳成浩常勤理事が定年退職し、常勤理事6人中、3人が辞める異常事態となった。旧北陸商銀出身の南新理事長は「一致結束して乗り切りたい」と強調したが、前途多難の船出となった。

 第2期(08年4月1日~09年3月31日)の事業報告によると、預金積金989億3300万円、貸出金646億円、経常赤字17億7762万円、当期純損失16億6819万円の赤字。2期連続の大幅赤字となった。自己資本比率4・64%、預貸率は65・7%。

 今期の事業計画は、預金積金1050億円、貸出金670億円、当期純益5800万円、預貸率63・8%だが、「収益増強は当面は見込めない」状況だ。また、沼津支店を廃止、静岡支店に統合する。理事長の直属機関として経営改革委員会を設けるなど、経営改善に全力をあげる。

 総代会は職員の横領事件や業績不振をめぐり理事総退陣要求も出るなど一時紛糾した。千葉の総代が「内輪もめしている時ではない。今後経営をどうするかが大事だ。今期計画でも預貸率が低いが、収益を上げるため積極的貸出を進めるべきではないか」と述べ、流れを変えた。

 旧横浜商銀と旧北陸商銀が合併したのは2007年12月だが、合併効果どころか、資本増強など経営再建が急を要する状況だ。新理事長は大きな荷物を背負っている。


◆近畿産業信用組合総代会 預金6257億円に◆

 近畿産業信用組合(本店・大阪市、大本崇博理事長)は6月26日、第56期通常総代会を京都市内のホテルで開催。総代総数222人中197人(委任状86人含む)が出席。
       
 大本理事長は、「貸し渋り対策に力を入れた。2008年度中に2051件、金額で1342億円の貸し出し実行件数中、337件186億円が他行で貸し渋りにあった人たちだ」と語った。

 09年3月末の業績は預金6257億円(対前年比1・72%増)、貸出金3651億円(同0・67%増)、業務純益40億4400万円(同32・14%増)、経常利益33億3400万円(同13・86%増)、純利益32億6600万円、自己資本率は10・37%と堅調な業績となった。

 今期の計画では預金6400億円、貸出金3920億円、業務純益41億円を見込んでいる。


◆あすか信用組合◆

 あすか信用組合(李永植/イ・ヨンシク理事長)の第43期通常総代会が6月26日、都内の同信組本店で開催。第43期の預金・積金残高は、前期比8億6600万円増の1655億5000万円、貸出金残高は30億6300万円減の1174億9800万円となった。業務純益は2億2900万円。自己資本比率は6・44%となった。

 李永植理事長は、「ほぼ信用計画通りに、利益を計上することができ、概ね満足できる内容であった」と述べた。また、釧路支店の閉店を明らかにした。


◆信用組合愛知商銀◆

 信用組合愛知商銀(権東鉉/コン・ドンヒョン理事長)の第56期通常総代会が6月26日、総代総数130人中、116人(委任状58含む)が出席。

 事業報告によると、総預金629億2400万円(対前期比2%減)、貸出金513億3900万円(同5・3%増)、業務純益7億8700万円(同326%増)、純利益9億6500万円、自己資本率対前期比0・49%増の6・03%となった。純益は出たが、当期末処理損失があり、配当はなかった。

 権理事長は「今期に12億円の利益を出し、再来期には配当が出来るようにしたい」と語った。


◆信用組合広島商銀◆

 広島商銀は6月18日、広島市内の本店で第48期通常総代会を開いた。総代129人中129人(委任状54)が出席。

 08年度業績報告は預金積金1266億2197万円(前年同期比2・29%減)、貸出金961億5689万円(同0・53%増)、当期純損失7億1246万円。自己資本比率5・32%。また鄭義夫(チョン・ウィブ)理事長を再選。


◆九州幸銀信用組合◆

 九州幸銀信用組合(呉龍夫/オ・ヨンブ理事長)の第53期通常総代会は6月26日、福岡市内の本店で開催。総代129人中123人(委任状75)が出席。08年度業績報告は、預金積金537億3969万円(前年同期比18・83%増)、貸出金439億9965万円(同22・37%増)、当期純益2億2100万円。自己資本比率5・55%。


◆あすなろ信用組合◆

 あすなろ信用組合(本店・松本、尹昌旭/ユン・チャンイク理事長)は6月29日、長野市内のホテルで第34期通常総代会を開催。総代124人中103人(委任状46)が出席。

 決算報告は、預金積金369億9054万円(前年同期比0・51%増)、貸出金300億8348万円(同0・54%増)、預貸率は81・33%。自己資本比率は5・22%。不良債権処理などで赤字決算となった。


◆信用組合岡山商銀◆

 岡山商銀は6月19日、岡山市内の本店で第47期通常総代会を開いた。総代106人中77人(委任状22)が出席。3月末の決算報告は、預金積金183億407万円(前年同期比0・14%減)、貸出金132億5749万円(同4・74%増)、当期純益2710万円。自己資本比率7・47%。また李根善(イ・グンソン)理事長を再選した。