◆韓日の協力体制重要 権 哲賢(クォン・チョルヒョン)・駐日大韓民国特命全権大使
韓日関係は、鳩山首相の就任以来、より一層発展したと評価できます。両国間の人的交流の側面でも意義深い1年だったと評価できます。
在日同胞社会でも1年間に数多くの出来事があったと思います。まず、9月に韓日祝祭ハンマダンが東京で開催され、多くの人々の支援や参加のもと、成功裡に終え、韓日両国民相互間の理解と交流を増進するのに大きな力となりました。
2010年は特に、わが国がG20首脳会議を、日本がAPEC首脳会議を開催することになっており、両国が国際的協力のため主導的に活動するとともに、これに向けた両国間協力の必要性がこれまで以上に高まるものと見込まれます。同時に、両国関係に悪影響を及ぼすと予想される事案に対しては、韓日両国がきわめて慎重に対応しなければならない年になるでしょう。
また、3、4世が中心をなす在日同胞社会の構造的変化に歩調をあわせるためには、韓国語普及運動、韓国の歴史や文化に関する教育などが強化されなければなりません。また、既存の在日同胞と新規定住者(いわゆるニューカマー)間の相互協力と融和が重要です。
◆韓日共同発展を 駐日韓国企業連合会 張 炳孝(チャン・ビョンヒョ) 会長
駐日韓国企業連合会は、韓国に親会社を持ち日本で事業をしている企業が中心として設立された団体です。
駐日韓国企業278社(09年3月現在)で構成され、今年設立17周年を迎えます。
昨年は米国発リーマンショックの影響で、日本、韓国をはじめ多くの国が経済危機に陥った一年でありました。
幸いに各国の迅速な景気対策と、中国•インドなど新興国の堅調な経済発展が追い風となって、世界経済は徐々に良くなりつつあり、日本製造業の生産も、08年ピーク時に比べておよそ8割から9割の水準まで回復しております。
一日も早く政府がデフレという悪循環を断ち切って、国民が雇用不安なく安心して消費できる環境を作ることを期待しております。最後に日本と韓国の間で進められているFTA協議も、両国が共同発展できる方向で結論づけられる一年になることを望んでおります。
◆日韓FTAを 日韓経済協会・日韓産業技術協力財団 飯島 英胤(いいじま・ひでたね) 会長・理事長
当協会は今年設立50周年を迎えます。1960年に日韓の国交正常化(1965年)前に当時の経団連と日商が中心となって日本の代表的企業を会員として民間による経済外交をスタートして今に至っています。
この間経済人の交流を通じて相互理解を深め相互信頼を高めて、日韓の貿易や投資、更には人的交流の拡大に大いに貢献してまいりました。日韓は共に貿易依存度の高い貿易立国であります。従って両国は国際市場では常に競争関係にあります。この競争に勝つには他国よりも一歩先を行く技術力(技術創造立国)と人材力(人材立国)が極めて大事です。そのために両国は自らを強化すると共に、協力提携して強者連合を形成して世界市場で活動をする対応が求められます。
このような競争と強調と円滑に進めるため、日韓間の経済問題となっているFTA/EPAの締結に向けて今年は大きく進展することを期待します。