在日新成人も社会に飛び立った!12日の成人の日を前後して、全国の民団県本部などで在日新成人の成人式が行われた。在日韓国人の新成人は(法務省外国人統計課の資料などによると)推定約5000人となっている。日本の新成人も約133万人で、少子化の影響で新成人は毎年減少している。
大阪で行われた民団大阪主催の成人式には、新成人82人が参加した。スーツ姿の男性たち、色とりどりのチマチョゴリ(民族衣装)で臨んだ女性たちは、「新成人として、そして在日コリアンとして一生懸命生きたい」と抱負を語った。一方、民団東京主催の成人式は11日に都内で開かれ、新成人26人が参加。民団神奈川主催の成人式は10日に横浜市内で開かれ、新成人22人が参加した。金由恵さん(法政大学3年生)は、「責任感を持って行動したい。社会に出たらバリバリ働く女性になりたい」と語った。(写真・上から民団東京、民団神奈川、民団大阪)
◆弁護士になり人権活動 金祥宇さん(京都大学法学部2年)
在日3世。成人を機に、社会により関心を持って行きたいと思う。
在日でも弁護士になれると、小さいときから親に聞かされていたので、自然と弁護士を志望するようになった。弁護士になったら、在日の人権のために活動したい。また韓国に留学して韓国語を習得し、弁護士として韓日間の仕事にも携わりたい。
京都には外国人留学生などが集まる場があり、私も何度か参加したが、在日外国人の立場について改めて考えさせられた。今後も多くの在日外国人と交流を深め、在日コリアンを含めた在日外国人の声を社会に発信していきたい。
◆映像表現で韓日交流 李麻視さん(大阪芸術大学映像学科2年)
在日3世。高校時代に韓国舞踊を習っていたが、舞踊を際立たせるための照明や音楽など舞台装置にとても関心を持った。舞台のことを学びたいと考え、映像学科に進学した。
いま、映像に関するすべてのことを学んでいるが、将来は映画やテレビドラマ中心に照明の仕事をしたいと考えている。
韓日合作作品や韓国ドラマの仕事をすることが出来たら、仕事を通じて韓日交流に貢献できるので、意義があるし最高だと思う。
在日であることを隠すことなく、堂々と生きられる社会になってほしいし、自ら在日の誇りを大切に生きていく。
◆言動に責任を持つ 文理美さん
文理美さん(日本大学2年)は、「在日韓国人としてこれから向き合っていかなければならないことがたくさんあるので、少しずつでも行動出来る人間になりたい。そして一つ一つの言動に責任を持てる大人になりたい」と話した。
◆自分なりの大人 李竜平さん
李竜平さん(国学院大学2年)は、「本当に大人になるために何をすべきなのかということを考えたときに最初に出てきたのが、まず大人とはどういったものなのかということを、自分で考えることだと思った。そうして見つけた自分なりの大人に近づいていくことが必要だと思うので、その両方をこれからやっていこうと思う」と述べた。
◆韓国語学びたい 南裕梨さん
南裕梨さん(明海大学2年)は、「まだ学生の私は色々なことを両親にしてもらっているので、成人を実感することは少ないが、自分の行動に責任を持てるようになりたい。私は韓国語が話せないが、在日韓国人として韓国語は話せるほうがいいと思うので、これから少しずつ勉強していきたい」と語った。