9月20日は敬老の日。それに先立ち、在日の各団体などでは祝う会を開催している。在日高齢者の無念金、介護などは大きな課題となっている。
在日韓国・朝鮮の高齢者(65歳以上)は2009年末現在(法務省)で男4万3471人、女5万9463人の総計10万2934人になる。
在日韓国婦人会東京本部(金貞子会長)は7日、東京・南麻布の韓国中央会館で「第13回長寿会」を開催した。同会は75歳以上の高齢者を対象に、2年に1回行っているもので、今年は高齢者91人に関係者など合わせて約150人が参加した。金会長は、「1世の人たちが努力してきたからこそ、いまの私たちが存在している。元気で長生きしてほしい。今後も長寿会を開催し、喜んでもらいたい」と語った。
参加者の最高齢は、94歳の男性だった。
神戸市長田区にある在日高齢者向けのデイサービスセンター「ハナの会」は、韓国料理を出し、また韓国文化に親しむイベントを行っている。今年が開所から5年目だ。
在日社会の高齢化問題は年々深刻化しており、同問題に取り組む人たちからは、「在日高齢者の実態調査と在日高齢者向け施設の建設、韓国語を話せる介護ヘルパーの養成などが望まれる。また無年金高齢者の救済も切実な課題だ。在日高齢者を孤独にさせない取り組みを進める必要がある」と話す。
日本弁護士連合会はこの間、在日外国人の高齢者・障害者の無年金問題について、「国際人権の視点から早急に救済措置が実施される必要がある」との勧告書を出し、日本政府の対応を促している。
◆韓国でも高齢者問題は深刻化
韓国でも急速な経済成長が進む中、高齢化問題が大きな社会問題になっている。日本の介護保険に相当する老人長期療養保険法を08年7月に施行し、各種医療サービスの実施や、高齢者福祉施設などが進められている。しかし、急激な少子高齢化に対応が追いつかないのが現状だ。
韓国は2030年に人口の24・1%、2050年には37・3%が高齢者になると予測され、世界有数の高齢者社会になる見込みだ。