韓国で大ヒットを記録したドラマ『アイリス』が、いよいよ日本で放送される。地上波のゴールデンタイムに登場することで、韓流の新たなブームへの期待や、韓日の旅行者増に結びつく効果だけでなく、南北分断への関心を日本で広げることへの期待も寄せられている。
日本の地上波ゴールデンタイムで放送されるのは、韓流スターのイ・ビョンホンさんが主演する『アイリス』。4月からTBS系で毎週水曜日午後9時に放送される。韓国ドラマが同時間帯に放送されるのは初めてだ。
同作品は、約200億ウォン(約16億円)の制作費を投入し、韓国内での長期ロケをはじめ、日本の秋田県やハンガリーなどで海外ロケを行った、スパイアクション大作だ。
韓国では、初回視聴率が24・5%、平均視聴率は30%を超え、最高視聴率も39・9%を記録した。
日本では多くのテレビ局が財政難に苦しみ、海外ドラマの放送で国内ドラマ制作に比べ予算削減をしている側面もあるが、それ以上に同ドラマがアクション大作であり、『宮廷女官 チャンクムの誓い』が、女性だけでなく男性ファンを引きつけたように、これまでの中高年の女性ファンだけでなく、若者や男性ファンを巻き込みたいとの考えがある。
韓流は日本で定着したが、新たなファン層の獲得が必要とされており、その目論見が成功するか注目される。
一方、同ドラマのロケ地なった秋田には、昨年後半から韓国人観光客が殺到し、今年1月も前年同月比2・2倍の6075人が訪れている。日本だけでなく香港、シンガポールなどでも同ドラマが放送予定で、秋田では更なるアジアからの観光客増に期待を寄せ、今後、韓国語・中国語ガイドの養成や、案内板設置、ガイドマップ作成などに取り組んでいく。
同ドラマが、南北分断をテーマにした作品であることから、韓半島の統一問題に対する海外の関心を集める期待も持たれている。
イ・ビョンホンさんは、「スパイを題材にしたドラマが制作されるのは、これまでになかったことで出演を決めた。(韓半島は)唯一の分断国家であり、それが背景なので、独特なドラマになっている」と話す。