茨城県小美玉市(旧美野里町)を拠点に、地域医療と教育事業に取り組む医療法人正信会及び社会福祉法人青丘の金正出(キム・ジョンチュル)理事長が、茨城県つくば市に「青い丘保育園つくば」と「青い丘保育園二の宮」、そしてハングルアカデミー「カナタ韓国語学院つくば校」を4月から順次オープンする。20日に内覧会と竣工式が行われた。
認可保育園の「青い丘保育園つくば」(茨城県つくば市小野崎)は、つくば駅から徒歩20分弱。閑静な住宅街に隣接している。鉄骨造り1階建てで延べ面積約1078平方㍍、敷地面積約3793平方㍍とゆったりした保育園で、定員児童数は120人になる。4月1日に入園式を行う。
そこから徒歩15分ほどの距離に認可外保育園「青い丘保育園二の宮」(つくば市二の宮)がある。住宅街の中にあり、鉄骨2階建て、延べ面積約662平方㍍、敷地面積約707平方㍍で、屋上に芝生の遊戯場が作られた斬新な建物だ。ここでは約150人を受け入れる予定で、4月に募集を開始し、5月開園を目指している。つくば市内外には保育園を待つ待機児童が100人以上おり、地元の期待は大きい。
記念式典で金正出理事長は、「施設不足による待機児童が、この数年、全国的に増えている。保育園が無いため、働きたくても働けない親が多く、その社会的、経済的損失は大きかった。待機児童解消の一助に、青い丘保育園が役割を果たせることを期待している」とあいさつした。
さらに、「茨城にも外国人の子どもが増えており、特につくば市には韓国からの研究者や留学生が多数生活している。みな子弟の母国語教育に頭を痛めている。韓国語や英語の教育を含め、多文化保育園の役割を担えればと思っている」と、多文化保育園としての可能性を語った。
式典には茨城県、つくば市、韓国大使館や地元の民団関係者など多数の来賓が参加した。大泉ひろこ・民主党衆議院議員は、「現政権は子育て支援を政策の最重要課題としている。保育園の質と量が大切な時代が来ている。大いに期待したい」とあいさつした。
「青い丘保育園二の宮」の建物内は、カナタ韓国語学院つくば校」も入る。同校はソウルに本部があり、私設の韓国語教育機関として韓国で実績が最も認められている。日本では水戸、上野に次いで3校目となる。
金理事長は、「同校を通して韓国語普及と韓日文化交流にも貢献したい。そして将来は、文部科学省認可の中高一貫校を設立し、在日をはじめ子どもたちの多文化教育に取り組みたい」と述べた。