社会貢献事業にも力を入れているマルハンの韓昌祐会長(ハン・チャンウ、79)が故郷の慶尚南道泗川(キョンサンナムド・サチョン)市に韓会長夫妻の名を冠した「韓昌祐・祥子(ながこ)教育財団」を設立した。基金60億ウォンで運営され、地域の小中高生を対象に奨学金を支給する。奨学事業以外に、教育・文化事業にも力を入れる計画だ。財団理事長には韓裕(ハン・ユウ)マルハン社長が就任した。
財団発足式は2日、市内が一望できる丘の上に建てられた泗川市文化芸術会館で行われ、会場は2階に立ち見も出る約900人で埋まった。金徳龍(キム・トクヨン)・大統領特別補佐官、朴在圭(パク・チェギュ)・慶南大総長をはじめ地域住民のほか、日本から在日世界韓人商工人連合会メンバーやメディア、マルハン幹部ら130余人が参加。オペラのアリアが披露されるなど、文化の香りも堪能できる発足式となった。
韓会長は日本では韓哲文化財団を運営しており、今回が韓日両国に文化・教育財団を設立した初のケースとなる。
韓会長は、「10年ぐらい前から考えていた。私も小学校のころ故郷で援助してもらったことがあるが、やはり人材育成が一番大事。将来は海外留学の道も開きたい。また、世界の一流文化を吸収できる事業も展開したい」と抱負を語った。
韓哲文化財団の助成金授与者でもある女優、黒田福美さんは、「式典の最後に韓会長が壇上で『故郷の春』を歌うのを見て、感動のあまり泣いてしまった」と語った。
教育財団の事業内容は、泗川市を中心に優秀な小中高校生を毎年50~100人選抜、奨学金を支給する。また、学術研究や学習資材購入、教育環境改善にも基金を活用する予定だ。財団設立の黒子役を果たした姜兌欣(カン・テフン)・アスロ社長は、「在日同胞が設立した財団であり、韓日交流の懸け橋の役目もある。生徒や教師が日本で学習・研修したり、日本から専門家を招いて話しを聞く機会がもてれば、異文化体験にもなる」と語った。
同地域で外国資本の財団は初めてであり、基金規模も相当に大きい。奨学事業以外に文化事業での活用も注目される。