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2010/06/11

<在日社会>東大・現代韓国研究センター設立

  • 東大・現代韓国研究センター設立①

                   姜 尚中センター長

  • 東大・現代韓国研究センター設立②

    記念シンポには韓日の学者らが出席した

 東京大学に現代韓国研究センター(センター長・姜尚中東京大学教授)が5日オープンし、記念シンポジウムが開かれた。現代韓国を研究するセンターは、東京大学の研究所では初めてで、日本の大学では九州大学、慶応義塾大学に次いで3番目になる。

 現代韓国研究センターは、韓国国際交流財団などの支援を受け、東京大学大学院情報学環に設立された。

 開所式には、権哲賢(クォン・チョルヒョン)・駐日韓国大使、李御寧(イ・オリョン)・韓国中央日報顧問、金成燁(キム・ソンヨプ)・韓国国際交流財団理事長職務代行、石田英敬東京大学情報学環教授・学環長、松野頼久官房副長官らが出席した。

 姜尚中・東大教授(センター長)は、「東アジアの多角的な研究の場にしたい。韓日は約500万人の相互往来がある。これほど深くそして特殊な関係を更に深めたい。現在の東アジアには様々な問題があるが、10年、20年先には東アジアに役立つ人材を輩出し、東アジアの知的交流の場を目指し、東アジア共同体に寄与したい」と抱負を述べた。

 田中明彦東京大学副学長は、「東京大学はこれまで様々な分野で韓国を研究してきたが、現代韓国専門の研究はなかった。センター設立は、世界に知の環を広める大きな一歩となる。東大には外国からの留学生が2850人、そのうち韓国人留学生は600人いる。グローバル化の大きな力になる」と強調した。

 当初出席予定だった鳩山由紀夫首相は辞任のため、松野官房副長官が、「東京大学に現代韓国研究センターが設立されたことをうれしく思う。今後の日韓関係発展にセンターが貢献することを願っている」との祝辞を代読した。

 権哲賢・駐日韓国大使は、「韓日関係発展に(センターが)寄与することを願う」と述べた。

 記念シンポでは、木宮正史東大大学院准教授が「相互に言語を学ぶ機会を増やしては」と話した。韓栄恵(ハン・ヨンヘ)・ソウル大学教授は、「韓国では中国への関心が増えたが、日本への関心は相対的に減っている。日本への関心持たせる独自プログラムの開発が必要」と強調した。

 真鍋祐子東京大学教授は「難病などの共通課題に、協力して取り組んでいくことが重要だ。またコリアに関心を持つ学生を発掘し支援していきたい」と述べた。若宮啓文朝日新聞コラムニストは、「東アジア共同体は理念として語りつつ、具体的な取り組み、共同プロジェクトを日韓で行うことで関係を深めては」と訴えた。

 同センターは初年度、「東アジア共同体に向けた日韓パートナーシップ」というテーマで国際シンポジウムを開催する予定だ。