近畿産業信用組合総代会と在日韓国人信用組合協会の総代会が、6月下旬に相次いで開かれた。各信組とも生き残りをかけて経営基盤強化に取り組んでいる。
◆近畿産業信用組合◆
近畿産業信用組合(本店・大阪市、大本崇博理事長)は6月25日、第57期通常総代会を京都市のホテルで開いた。総代総数220人中192人(委任状82人含む)が参席。
青木定雄会長は、「福岡、名古屋など6大都市に支店を広げ全国展開する」と話した。大本理事長は「11月に新難波支店をオープンし、シンボル塔とする」と語った。2010年3月末の業績は預金7245億円(対前年比15・79%増)、貸出金4077億円(同11・64%増)、業務益は43億3700万円(同7・24%増)、経常利益は42億1200万円(同26・33%増)、純利益36億500万円(同10・37%増)、自己資本比率は10・51%。配当は2%実施。今期計画では預金7700億円、貸出金4480億円を見込む。
◆中央商銀信用組合◆
中央商銀信用組合(宋寅模理事長)の第3期通常総代会が29日、同商銀横浜本店で開かれたが、常勤理事一人を除く全理事が交代するという波乱が起こった。
中央商銀は、3年前に旧横浜商銀と旧北陸商銀が合併して誕生した。しかし、3期連続の赤字を計上、配当金もなく、多額の不良債権を抱える運営がつづいており、この日の総代会では経営責任を問う声もあがり、理事長をはじめ理事陣は辞任に追い込まれた。20009年度の事業報告で、預金は前期より138億2300万円減の851億1000万円、貸出金は同79億4400万円減の571億2200万円で、当期純損失が13億6032万円に達した。
自己資本比率は期末までに出資金が増強され、4・26%と国内基準を上回ったが、前途は厳しい経営環境におかれている。特に、不良債権額は181億6666万円にのぼり、不良債権比率は預金比21・3%、貸出金比31・8%に達する。
加えて、監査報告で金京必監事は、監督官庁による業務改善命令に対しての取り組みが不十分で、「昨年6月の総代会以降10月まで理事会が開催されず、それ以降も12月まで理事会が理事長後退などで機能不全に陥ったことは誠に遺憾である」と指摘している。
このような現状に対して、旧北陸商銀系の総代から「3期連続の赤字を出しており、経営責任をとるべきだ」という声が上がるなど議事は荒れ模様となった。結局、理事長以下19人の理事が辞め、新理事8人は全員旧北陸商銀勢が占めた。総代会で理事長は選任できなかったが、再選任された日高明次・常勤理事が就くもようだ。厳しい経営環境の下、今後どう乗り越えていくのか注視される。
◆あすか信用組合◆
あすか信用組合(李永植/イ・ヨンシク理事長)の第44期通常総代会は6月25日、都内の同信組本店で開催。第44期の預金・積金は1761億8100万円(前期比106億3100万円増)、貸出金1243億1600万円(同68億1800万円増)。預貸率70・56%。業務純益17億6300万円(同5億3300万円増)。配当1%。出資金41億1400万円(同1億5600万円増)、純資産合計68億1100万円で自己資本比率6・15%。任期満了に伴い李理事長が再任された。
◆信用組合愛知商銀◆
信用組合愛知商銀(権東鉉/クォン・ドンヒョン理事長)の第57期通常総代会が6月25日開催、総代総数124人中、111人(委任状66含む)。
総預金792億5000万円(前期比25・9%増)、貸出金586億3000万円、業務純益9億7000万円(同23・3%増)、純利益6億2700万円、自己資本比率5・78%となった。
4期連続の黒字決算となったが、当期未処理損失があるため配当は見送りとなった。
◆信用組合広島商銀◆
信用組合広島商銀(鄭義夫/チョン・ウィブ理事長)の第49回通常総代会は6月18日、広島市内の本店で開催。
総代総数120人で出席120人(委任状55人)。2009年度業績報告は預金積金1282億3452万円(前期比1・27%増)、貸出金972億2993万円(前期比1・11%増)、当期純利益1億7961万円、自己資本比率5・51%。
◆九州幸銀信用組合◆
九州幸銀信用組合(呉龍夫/オ・ヨンブ理事長)の第54期通常総代会は6月25日、福岡市内の本店で開催。
総代総数123人117人(委任状80人)。
09年度業績は預金積金660億5600万円(前期比22・92%増)、貸出金480億3900万円(前期比9・18%増)、当期純利益1億2400万円。自己資本比率6・35%。
◆あすなろ信用組合◆
あすなろ信用組合(尹昌旭/ユン・チャンウク理事長)の第35期通常総代会は6月28日、長野市内で開催。総代総数123人(出席92人、うち委任状46人)。預金積金372億1100万円(前期比0・84%増)、貸出金293億1300万円(2・56%減)、業務純益1億3500万円、当期純損失10億5700万円。自己資本比率6・37%。
◆信用組合岡山商銀◆
岡山商銀(李根善/イ・グンソン理事長)は6月18日、同本店で第48期通常総代会を開催。総代110人中85人出席。預金積金193億473万円(前期比5・46%増)、貸出金128億5580万円(3・02%減)、経常利益8033万円。当期純利益6014万円(0・18%減)、自己資本比率8・03%。