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2010/10/08

<在日社会>東京大学・東アジア共同体作りへ

  • 東京大学・東アジア共同体作りへ

    東大で開かれた「日韓の知的交流」シンポ

 東アジア共同体の実現について考えるシンポジウム「東アジア共同体と日韓の知的交流」(東京大学大学院情報学環・現代韓国研究センター主催)が2日、東京大学駒場キャンパスで行われ、韓日の学者・知識人らがディスカッションした。

 姜尚中・同センター長は、「東アジアにはいま4つの領土問題があるが、自国中心主義でなく、広い視野を持って考えることが今こそ求められている。多様な世論を構成し、東アジアの将来を考えることが求められている。そのためにも知的交流の必要性が求められている」とあいさつした。

 中京大学の浅野豊美氏は、「東アジア地域主義と日韓の歴史認識パラダイム」と題して報告し、「東アジア地域の自律的な形成のために、地域としての戦後史の検証が必要だ。そのためにも歴史共同研究を通して、新たな歴史の共同構築作業を行おう」と提案した。

 東北亜歴史財団の崔雲燾(チェ・ウンド)氏は、「日本の東アジア共同体構想と地域認識-対アジア認識の変化を中心に」と題して報告し、日本の鳩山前首相が打ち出した「東アジア共同体構築」について述べ、「日本が今後、地域共同体の形成に指導力を発揮するには、日本の東アジア認識の変化が必要」と強調した。

 また外交安保研究院の曺良鉉(チョ・ヤンヒョン)氏は、「日本の東アジア共同体論と米国」と題して報告し、「日本は日米同盟と東アジア共同体の間での二者択一でなく、日米同盟とともに多様な形態の地域協議の枠組みを追求する必要がある」と語った。

 シンポではさらに、東アジア共同体の構築に向けて中国、北朝鮮を見る韓日の視点の違いをどう調整するかが話された。

 また、韓日で社会問題となっている格差拡大、文化交流の活発化などの状況を踏まえて、韓日の市民社会がどう交流し、東アジア共同体に寄与していくか、などが報告された。